本家いなてい

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エクストリーム経済大国・韓国・通貨スワップ7:岸田首相と尹錫悦氏が懇談?

 

岸田首相と尹錫悦氏が懇談?

 

岸田文雄首相と韓国の尹錫悦氏が、懇談したそうです。

 

 

 

日韓首脳「懇談」

 

この記事は、「エクストリーム経済大国・韓国・通貨スワップ5」の続き的な位置づけです。

 

www.inatei.com

 

日本時間の2022/09/22未明、突如「岸田文雄首相と韓国の尹錫悦大統領が会談を行った」という速報が入ってきました。

 

これは毎日新聞および同系列のTBSが「韓国政府発表」として速報を打ったものですが、他の日本のメディア各社の動きは鈍く、ごく短文を伝える程度でした。この2社だけが、「30分間着席して会談した」と報道しています。

 

朝になって各社から情報があがってきましたが、その内容は不自然なものでした。例えば読売新聞では「岸田首相は21日午後(日本時間22日未明)、米ニューヨーク市内で韓国の 尹ユン錫ソン悦ニョル 大統領と約30分間の「懇談」を行った。」など、政府発表が「会談」ではなく「懇談」であることを3度繰り返して報道しています。

 

またNHKでも同様に、「ニューヨークを訪れている岸田総理大臣は、韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領と懇談し、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題などを念頭に、両国間の懸案を解決して日韓関係を健全な関係に戻し発展させていくことで一致しました。」と、やはり「懇談」であることを3度強調しています。

 

日本政府が会談を否定した理由として、韓国側が相変わらず元徴用工問題の解決策を提示しない状態であることが述べられています。それでは会って一体何を話したのかというと、韓国連合ニュースによると「議題を定めずに議論した」という、訳のわからないものでした。

 

韓国側が日本におねだりしたい案件は山のようにありますが、中でもFRBの利上げ当日でウォンの急落が必死な状況であり、尹錫悦氏の本心としては何はともあれまず日本と通貨スワップを締結したい、というものがあるでしょう。もっとも、今から締結協議を開始しても締結完了まで数年単位の調整が入りますし、締結できたところで日本からの輸入で若干余裕ができる程度、為替介入への悪用も限定的にしかできませんが。ともあれ、そのような「お願い」もできなかったようです。

 

この不自然な「懇談」がなぜ行われたのかですが、これは日本の報道よりも韓国聯合ニュースを見たほうが、状況が見えてきます。

 

v.daum.net

 

機械翻訳を使って要点を抜粋すると、まず「通常の会談では日程がマスコミに周知されているはずなのに、今回はそれがなかった」ことが指摘されています。また韓国報道陣に連絡が入ったのは、両者の会話がはじまってから2分後、と時間的に逆ザヤまで発生しています。

 

面会場所は「国連総会長近くのカンファレンスビル」ですが、これは岸田首相が出席し演説した「包括的核実験禁止条約(CTBT)会合」の会場でした。岸田首相が日本のマスコミから取材を受けている最中、韓国の尹錫悦氏が訪問してきて、対面したそうです。

 

そして、韓国側でも「当初の予想とは異なり、正式会談ではなく略式会談だった」と言及されています。

 

これらから推測すると、もともと会談などはセッティングされておらず、岸田首相がテレビカメラの前で取材を受けており逃げられない状況になったのを見計らって、尹錫悦氏が押しかけていったのではないかということです。そして日本の殆どのマスコミは初動で大きく扱わず、また韓国マスコミも開始2分後まで懇談を知らされていなかったことから、毎日新聞社かTBS社が尹錫悦氏をむりやりCTBTの場に引き入れたのではないかと個人的には疑っています。

 

この辺、事実関係がわかる時はくるのでしょうか。

 

蛇足ですが、尹錫悦氏はアメリカのバイデン大統領にも接触を図りました。場所は「感染症対策のための資金調達について協議するバイデン米大統領主催の会合」の場で、「尹大統領は出席対象者ではなかった」にも関わらず「会合に招待された」としていますが、その割に「通訳を入れて計50秒の立ち話」のみでした。恐らく無理やり「会談」して「インフレ対策法案での特例」と「米韓通貨スワップ」の話を持ち出したかったのでしょうが、不発に終わったようです。

 

レコードチャイナの韓国記事によると、韓国では「岸田首相が会う約束をしておきながらセッティングすらしなかったのは、韓国に恥をかかせようとしたからだ。それなのに尹大統領はへらへら笑っていたのか」という反応が出ているようです。実際には、会談の合意がされていないのに尹錫悦氏が勝手に押しかけただけだと思いますので、当然準備などされているはずもなく、また勝手に押しかけて懇談に持ち込んだ尹錫悦氏はへらへらと笑っていられたのだと思います。

 

その一方で、「岸田首相の表情が…。招待されていないのに誕生日パーティーにやって来た客を迎える人の顔だ」という、本質を捉えた感想を述べている韓国人コメントも見受けられました。

 

 

 

「遭う時間も場所もないし、話す事も無いだろ」というのを遠回しに言ったら馬鹿正直に来ちゃった

 

japanese.joins.com

 

韓国・中央日報の日本語版記事に、事の真相として合理性のある情報が出ていました。

 

まず日本の朝日新聞から引用する形で、「岸田首相は無愛想な態度で言葉もなかった」一方で、尹錫悦氏はは「会談時間をのばそうとするように、懸命に説明を続けていた」「短時間で終わらないように、少しでも時間を長くしようとしていた」とのことです。

 

これは当然で、日本としては韓国に対し「国家間合意に基づいた解決方法をもってこい」という主張で一環しており、韓国は何年経過してもそれを持ってきません。韓国にお願いするような事も特に無く、国連総会で多忙なスケジュールが組まれている岸田首相がわざわざ会っている余裕はないのです。

 

一方、韓国は日本にお願いしたい項目が山積しています。通貨スワップ協定の締結にTPP加入、QUADに参加したいし、日米台半導体同盟から排除されても困る。それならまず徴用工問題などで約束を守り、武器転用可能物資3品目の所在を明確にし、海自哨戒機へのレーダー照射を謝罪するなどの落とし前を先につけなければならないはずですが、それらは一切無視しています。

 

韓国側は諸問題をまったく解決していませんが、その状態で岸田首相と面会して何らかの利益を得ようと考えています。あまりにしつこく「会いたい」と言ってくるので、日本側は「この時間、この場所でなければ無理だ。それでも来れば(会う)」と回答しました。岸田首相は既にスケジュールが埋まっているし、会っている余裕はない。という趣旨の回答を遠回しに伝えたはずですが、なんか来ちゃいました。

 

岸田首相としては、この後もスケジュールが詰まっているのに時間を取られ、しかも何の成果もないことが分かりきっています。無愛想になるのは当然です。逆に尹錫悦氏は、会ったこと自体が成果だ、会えたからにはとにかく手当たり次第に要求を出してやろうと一人でべらべらと喋り続けました。

 

従ってCTBTの場に尹錫悦氏が登場するのは、日本側としては「可能性としてゼロではないが、常識的には無いだろう」という認識でした。そこに来てしまったため、急遽懇談の場を設定する羽目になったようです。「尹錫悦氏が訪ねた」「日本は懇談場所の準備もしていなかった」という事の真相はこれで、突発的な訪問だったために韓国報道陣にも事前に伝えられておらず、懇談開始2分後にようやく伝わるという事態になりました。