本家いなてい

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北朝鮮、10/12に黄海へ向けて長距離巡航ミサイルを2発発射

 

北朝鮮が、今度は黄海に向けて「長距離巡航ミサイル」を2発発射したとのことです。

 

ちょっと表記が定まらず申し訳ないのですが、基本的に「弾道弾」と「巡航ミサイル」の形でかき分けます。基本的に、前者は概ね「ロケットに類似した打ち上げで、核弾頭搭載が多く、長距離」後者は「無人飛行機に類似した航行で、核弾頭はあまり積まず、あまり長距離ではない」といった違いがあります。

 

 

 

 

北朝鮮が黄海へ向けて長距離巡航ミサイルを2発発射

 

www.yomiuri.co.jp

 

朝鮮中央通信は13日、北朝鮮が12日に長距離巡航ミサイル2発の試験発射を行い、 金正恩朝鮮労働党総書記が視察したと報じた。同通信によると、2発は朝鮮半島西側の黄海上空を飛行した。最近相次いで発射した弾道ミサイルだけでなく、低空を飛ぶ巡航ミサイルの技術も誇示して日米韓をけん制する狙いとみられる。

 

このところミサイルの発射を繰り返している北朝鮮ですが、10/12に今度は朝鮮半島の西側・黄海にむけて2発発射したとのころです。

 

日本の領海やEEZへの影響はありえないコースだったため、Jアラートの発報などは特になかったようです。

 

 

 

弾道弾を黄海へ向けて発射した理由

 

www.bbc.com

 

北朝鮮は10日、9月下旬から10月にかけて実施した一連のミサイル発射実験について、韓国への核攻撃のシミュレーションだったと明らかにした。北朝鮮は、2017年以来5年ぶり7回目の核実験に向けた準備を進めている可能性があるとみられている。

 

北朝鮮がミサイル発射実験を繰り返す理由ですが、10/10の段階では「韓国に対する核攻撃シミュレーション」が目的であったとしています。

 

但し日本本土上空を通過したものは射程がグアムまで届く程度のものであり、通常兵器で充分届く射程の相手を狙うには高スペックすぎると思います。また朝鮮戦争が再開した場合、北朝鮮から陸軍が南侵する必要があり、永続的に支配することを考えると放射能汚染を伴う攻撃を行うかは疑問が残ります。

 

したがって、北朝鮮の発表如何に関わらず、日米とも自国への攻撃が想定されているという警戒は引き続き持つ必要があります。

 

 

とはいえ、12日に発射されたミサイルは黄海、つまり北朝鮮から西方に飛ばされています。特に意図がなければ、これまで通り「敵である日米」しかいない東へ向けて撃っておけば、基本的には海へ着水、最悪でも敵の領土に着弾するだけですみます。

 

西へ向けて撃った場合、失敗すれば形式上の友好国である中国本土へ着弾させてしまうリスクがあります。北朝鮮は極力中国の影響力を排除したいと考えているふしがあり、その意味では北京を牽制する意図があったとも予想はできます。とはいえ、数少ない貿易ルートをわざわざ犠牲にするか・・・?と考えると、さすがに積極的に中国を牽制する目的で撃ったわけではないのだろうと思います。

 

もうひとつの可能性は、韓国単独での防空能力・情報処理能力を確認する意図があったのではないかと予想してみます。これまで韓国軍が発表してきた北朝鮮ミサイル情報の制度は低く、自衛隊などから発表された情報と相違があった場合、だいたい韓国側の情報に誤りがありました。北朝鮮が東へ向けてミサイルを発射した場合は日米と韓国がGSOMIAで情報を共有してしまうのですが、西へ向けた場合はおそらく韓国軍単独で情報を処理することになります。つまり、日米による補正が入らない、韓国軍の本来の情報処理能力が分かってしまうのではないかと素人ながら推測してみます。

 

 

 

一方その頃韓国は

 

mainichi.jp

 

 聯合ニュースによると、巡航ミサイルは西部の平安南道(ピョンアンナムド)价川(ケチョン)付近から発射された。韓国軍はミサイル発射を把握していたが、弾道ミサイル発射とは異なり、国連安全保障理事会の決議違反とはならないため、公開していなかったという。

 

10/12の長距離巡航ミサイル発射について、韓国軍は「弾道弾ではない」「=国連安保理の決議違反ではない」ため、「情報を公開しなかった」としています。しかし日本はともかく韓国にとっては自国領土・領海・領空・EEZに被害が出る可能性があったはずで、安保理決議違反であろうがなかろうが「情報を出さない」という選択肢が本当にあり得るのでしょうか?

 

 

s.wowkorea.jp

 

【ソウル聯合ニュース】韓国軍が、北朝鮮の中距離弾道ミサイル(IRBM)発射への対抗措置として発射した地対地ミサイル「ATACMS」2発のうち1発について、飛行中に追跡信号が途絶えていたことが13日、分かった。

 

悪いことに、このタイミングで「米韓による5日の対抗措置」の、よろしくない情報が公開されました。

 

これまでの情報では、

・米国と韓国が、ATACMSそれぞれ2発づつ日本海に向けて発射し、4発とも成功

・韓国が、弾道弾「玄武2型」を発射し、自国基地を撃破

 

ということでしたが、その後ATACMS1発を「見失った」ことが発表されました。つまり、

・米国が、ATACMS2発日本海に向けて発射し、2発とも成功

韓国が、ATACMS2発日本海に向けて発射し、1発は成功。もう1発は目標に到達せず見失った

・韓国が、弾道弾「玄武2型」を発射し、自国基地を撃破

 

ということで、韓国軍の情報処理能力とミサイル迎撃能力の両方に疑問符がつく事態となってしまいました。冗談抜きで、大丈夫なんだろうかこれ。