米国のトランプ大統領が、5/7~5/8にかけて「イラン核合意」からの離脱を表明。時を同じくして、北朝鮮の金正恩最高尊厳が急遽中国入りする事件がありました。
米国、突然の「イラン核合意離脱」
トランプ米大統領は8日、欧米など6カ国とイランが結んだ核合意から離脱すると表明した。核合意に基づいて解除してきたイランに対する経済制裁を再開する。各国との原油取引を制限してイラン経済に打撃を与える狙いだが、イランが反発するのは必至だ。トランプ氏の国際社会での孤立がさらに鮮明になった。
米国のトランプ大統領が「イラン核合意」からの離脱を表明しました。
事前に何かしらの動きがあったのかも知れませんが、私が知り得る限りで言うと、5月に入ってから急転直下で決まった感があります。
核合意から離脱した理由は、「この合意ではイランの弾道ミサイル開発を制限できず、シリアやレバノンでのイランの関与拡大を防げない」ためとのことです。
今後対イランの原油取引等の制限がかかることになりますが、これに肝を冷やしたのは中国の習近平皇帝と北朝鮮の金正恩最高尊厳でしょう。
最高尊厳スクランブル訪中
中国国営の新華社は8日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が7~8日に遼寧省の大連を訪れ、習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談したと伝えた。金正恩氏は3月下旬に北京を訪問したばかり。わずか1カ月あまりで2度目の電撃的な訪中には、近く開く米朝首脳会談をにらみ、トランプ米政権をけん制する思惑がのぞく。
北朝鮮の金正恩最高尊厳は、急遽中国大連入りし習近平皇帝と会談しました。
米朝とも「最小限の犠牲で最大限の譲歩を得る」ことを目標にしていることは当然といえます。北朝鮮の立場で考えれば、非核化やICBM破棄などを段階的に行いその都度譲歩を得ることで、軍事的な影響力をある程度維持しつつそこそこの譲歩を得ようと動くでしょう。
今回の最高尊厳訪中はこの方針を中国と確認するためのものだと思いますが、同じタイミングで米国が「イラン核合意離脱」を表明したことで、あまり意味のないものになったと思います。
「対北朝鮮でも、一旦制裁を解除してもその後の行動により制裁再開があり得る」という意味ですので。