北朝鮮が、米国籍の人質3名を解放しました。
北朝鮮が米国籍の人質3名を解放
北朝鮮に拘束され、9日に解放された3人の米国人は米東部時間10日午前2時(日本時間同日午後3時)ごろ、米国に帰国する。トランプ米大統領がワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に自ら出迎える。トランプ氏は6月初旬までに見込まれる米朝首脳会談の開催地を「3日以内」に発表すると表明、史上初の首脳会談に向けた環境整備が進みつつある。
一週間程度前から少し話が出ていましたが、北朝鮮が米国人の人質3名を解放しました。
解放されたのは、平壌科学技術大学の教授のキム・サンドク、同大の運営に従事していたキム・ハクソン、事業家とされるキム・ドンチョルの各氏。
というか全員キムやん。
自分らの国の中だけでやってほしいという気持ちでいっぱいです。
日本人拉致被害者奪還への影響は?
今回の人質解放が日本人拉致被害者奪還に与える影響は、限定的というかほぼ無いと思います。
北朝鮮としては軍事的に何ら譲歩しておらず、人質を解放することで失うものは特にありません。
米国トランプ大統領は、人質が解放された以上両手を挙げて歓待する以外の選択肢はありません。バーターとして米朝首脳会談を行う道はこれで確定しましたが、米国もやはり軍事的・経済的に一切譲歩していません。
米朝首脳会談が確実になった事と、お互いに実質的な譲歩を行っていない事がポイントでしょう。
米国は先日「イラン核合意から離脱」しました。これは「一旦合意に達しても、何らかの理由により米国はそれを破棄する」という前例となっています。
北朝鮮が日本人拉致被害者問題で不誠実な対応を取れば、米国に将来的な合意破棄を行う口実を与えることになります。したがって、北朝鮮は拉致問題に対処せざるを得ないはずです。
米トランプ大統領が安倍晋三首相と電話会談
電話は米側が呼びかけた。トランプ氏は北朝鮮に拘束されていた3人の米国人が解放されたと説明し、首相は「大きな成果だ」と祝意を伝えた。トランプ氏は「北朝鮮問題で日本が果たす役割の重要性は十分に認識している。日本はビッグプレーヤーだ」と語った。
人質解放を受け、米国のトランプ大統領は安倍晋三首相に電話。安倍晋三首相は祝意を伝えました。
トランプ大統領が真っ先に安倍晋三首相に電話した理由として、同盟国との関係性を強調した面ももちろんありますが、それ以上に「北朝鮮との合意破棄トリガー」としてのアピールの意味合いも大きいのではないかと思います。
先に述べた通り、日本人拉致被害者問題に不誠実な対応をとったことを口実に、北朝鮮への制裁を再開する可能性をもたせています。
一方、日中韓サミット
平成30年5月9日、安倍総理は、第7回日中韓サミット、日韓首脳会談及び日中首脳会談等に出席しました。
安倍晋三首相と中国の李克強さん・韓国のムンムンさんが、昨日日中韓サミットに臨みました。左翼系・革新系から出ていた「日本が孤立~」という主張は、脆くも崩れ去りました。
彼らが信奉する、中国・韓国の手によってです。
ただし、三カ国で合意した「朝鮮半島の非核化」が与える影響は限定的。北朝鮮の宗主国である中国はともかく、韓国側の核を握っているのは日本でも韓国でもなく、米国です。
米国不在の「非核化」合意に、さしたる価値は無いでしょう。