メガ銀の三行が、「口座維持手数料」の導入を検討しているという話が出てきて、衝撃が広がっています。
- メガバンクの口座を持っているだけで、手数料を取られる時代に・・・
- 手数料で儲けるというのは、銀行の本分ではないのでは?影響は?
- さて、実際に口座維持費が導入されたらどうしましょうか?
- 1/19追記:「”紙の通帳”に毎年手数料」の方針か?
メガバンクの口座を持っているだけで、手数料を取られる時代に・・・
とりあえず、メガ銀行(メガバンクといったほうがわかりやすい)というのは「三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行」の三行のことです。みずほ銀行などは、通常はメガバンクとして扱われません。
これら三行が、口座維持の手数料の導入を検討しているそうです。
導入する理由は、「ゼロ金利・マイナス金利政策の影響で、企業にカネを貸しても利益が出にくくなったから」だとのこと。
そして「海外の商業銀行はほぼ全て導入しており、”無料”は日本のみ」とその正当性を語ります。
導入する前提として、「三行で単純合計32,000人分の業務量を減らす」というリストラを行うことは、考えているようです。
そして問題の手数料は、数百円/年~数千円/年を計画しているとの事。
手数料で儲けるというのは、銀行の本分ではないのでは?影響は?
本来は金利で儲けるべき。金融緩和の意図にも逆行
ただ銀行の本文は、企業にお金を貸して利ザヤを得るなど「資金の運用」で利益を得ることが本文の筈。
一時的にマイナス金利になったことはありましたが、基本的には「ゼロ金利」とはいえ僅かながら金利による利益は得られた筈。薄利多売という訳ではありませんが、金利が低くなった分多く貸し付け、数で利益を得ればよかった筈です。
というか、そのためのゼロ金利政策の筈です。
資金源である預金者を離反させ、自らの首を絞める
そして「銀行が企業に貸す資金」は、預金者から集めたものです。口座維持費がかかるとなれば、金利やインフレ率にもよりますが、基本的にはメガバンクの口座は解約し、他行へ資金を移してしまうか、個人も企業も「タンス預金」に走るでしょう。
企業が現ナマ持つことを「タンス預金」と言うのだろうか(どうでもいい)。
※物価が上昇すれば、手許にある現金は相対的に価値が下がり続けます。銀行預金で得られる利子というのは、ぶっちゃけその差分と言えます。なのでタンス預金は損、銀行預金でトントンの筈ですが、利子分以上に口座維持手数料がかかるならマイナスですよね。
そしてタンス預金が増えればその資産は運用されず、経済は膠着してしまいます。したがって、実際に口座維持費の問題が具体性を帯びてきた場合は、国から何らかの規制が入るのではないかと予想しています。
参考:現在の金利で「口座維持費」の損得勘定をしてみた
口座手数料が¥1,000/年とした場合、どれぐらいの金利でどのぐらい預金していれば「タンス預金よりはマシ」になるのか、ざっくり出してみましょう。
楽天銀行(マネーブリッジ)、イオン銀行:0.1%/年
1,000 x 0.001% = 1,000,000 ですので、ざっと百万円以上預金するのであればタンス預金より有利です。
その他のネット銀行: 0.01%~0.02%/年
0.02% だとしても先ほどの 1/5 になってしまいますので、五百万円以上の預金でようやくトントンです。
問題のメガバンク:0.001%/年
1,000 x 0.00001 = 100,000,000 ですので、一億円以上預金していないと「手数料分を利子では賄えない」って事です。うっはー
というか、損してないのでは?
メガバンク三行ですが、これだけ騒いでいる割に、実際には別に損してはいないんじゃないかって話もあります。
なぜなら、アベノミクス景気のおかげで「保有する株式や国債の価格が高止まりしている」そうで、このおかげで「30年3月期の収益は高水準」だそうです。
ヽ(・ω・)/ズコー
さて、実際に口座維持費が導入されたらどうしましょうか?
実際に口座維持費が導入されたら、基本的にはメガバンクの口座は解約ですかねえ・・・。
三井住友銀行は「ATM手数料を3回/月まで無料にできる」という技があるので、ここでも再三おすすめしていたのですが・・・。
口座維持費がかかるとなると、そのおすすめも解除しないといけなくなりますかね・・・
1/19追記:「”紙の通帳”に毎年手数料」の方針か?
半月が経過し、ようやく続報が入ってきました。
どうやら「紙の通帳を発行すると、銀行には毎年¥200の収入印紙税がかかる」ということで、今回の騒動はこの「紙の通帳」を発行する場合に限り、口座維持費をかけようという話になっているようです。
WEBから明細を確認する場合は、従来通り維持費はかからない見通し。これであれば、三井住友カードやNTTグループカード*1といったクレジットカードと同様ですね。
*1:これらのカードは年会費がかかりますが、WEB明細に切り替えると無料もしくは割引となります