本家いなてい

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日本ブログ村の政治ブログ・民進党(旧民主党・旧維新の党)で常時1位の誉れ高いブログ(なおエントリー数は2ブログ)

4/6追記:野党議員が国政選挙で勝つ方法

選挙はいわば人気投票であり、基本的には支持率の高い政党の候補者ほど票を獲得しやすく、当選もしやすいはずです。

 

端的に言えば与党のほうが野党より強い、というか強かった結果与党になっているので逆説的ですが、ともかく世論的に大きなイベントが無い限り、基本的には政権与党の議員のほうが有利なはずです。

 

では必然的に支持率の高い政党・候補者が有利となるはずの国政選挙で、支持率の低い候補者が勝つためにはどうすでばよいか?というのが、今回のエントリーの趣旨です。

 

 

 

 

衆院比例代表

 

まず衆院ですが、選挙区のほうは1人しか当選できません。支持率で劣る候補者は勝てませんので、よほど知名度の高い候補者か、支持率の低い政党(=野党)で連合を組み、統一候補として公認して貰うしかありません。

 

もっとも、支持率の低い政党の連合体から公認してもらったところで、それらの支持率を合計しても与党にかなわないことが多々あります。

 

支持率の低い政党・候補が衆院の議席を獲得する場合、比例代表のほうが期待値が高くなります。衆院比例区はドント式で票が按分されるため、獲得票の低い政党ほど獲得票に対して獲得議席が多くなり、有利です。

 

さて比例区が弱小・低支持率の政党にとって有利とはいっても、絶対数では当然ながら大規模・高支持率の政党の議席にほうが多くなります。もっとも多く議席を獲得するのは支持率の高い政党になりますが、弱小・低支持率の政党・候補者ほど優遇される比例区では、むしろ野党間で熾烈な争いが行われます。

 

野党の中でも立憲民主、維新が国政第二政党の座を争っており、それに続く位置が共産党や国民民主です。この順番で、獲得議席数が多いと考えて(今のところ)構いません。

 

ところがこれらの政党は、獲得議席が見込める政党ほど比例候補者を多く公認しています。比例区の議席獲得順のうち、選挙区で落選した候補者には比例復活する可能性がありますが、これは選挙区での惜敗率によってきまります。

 

ここで、例として立憲民主党が選挙区で20人落選、うち比例で10人復活できると仮定します。この場合、惜敗率の低い10人が落選してしまいます。

 

一方、れいわ新選組が選挙区で5人落選、うち比例で1人のみ復活できると仮定します。れいわは殆どの選挙区で立憲民主より支持率が低く、所属議員の惜敗率も低くなります。

 

ところが比例枠は政党単位で議席数が決まってから割当てられるため、同じ衆院選曲に出馬してともに落選した場合、立憲民主の候補が惜敗率80%で復活できずに落選する一方で、れいわの候補者が惜敗率40%で当選してしまうという逆転現象が起こります。

 

もちろん、それで当選しても議院での多数派は握れないのですが、単純に衆院選に勝つことだけを考えるならば、小政党から出馬したほうが有利になりやすいということです。

 

 

参院複数人選挙区

 

現在、とある議員の言動が議論を呼んでいます。そのような場合に「なぜこの議員が当選できたのか」という話題が持ち上がりがちですが、当選すべくして当選したということが参院には多いように思います。

 

参院選の選挙区は衆院選と異なり、複数人当選する選挙区があります。衆院選挙区は定数1人毎に選挙区を細分化しているのに対し、参院選挙区は基本的に都道府県単位であり、定数のほうを増減させて決めています。

 

ここで、例としてとある県のケースです。ここは当選できる定数は3ですが、このような選挙区でも与党が3人公認して全議席を狙うことは殆どありません。与党候補者間で票を奪い合ってしまい、場合によっては共倒れとなってしまう可能性があるためです。

 

今回例としてあげた県でも、与党は候補者を2名公認しました。定数3で与党は2人しか公認していませんから、残る1議席は必然的に野党候補がとることになります。

 

ここで野党候補が複数出馬していた場合、どの候補者がより当選しやすいかという問題があります。与党支持者やそれに近い考えの有権者は、概ね与党2候補のいづれかに投票します。

 

野党候補に投票する有権者は与党系とだいぶ異なる考えを持つ人たちということになりますが、そのような人たちが、野党とはいえ与党の主張と親しい候補者に投票するケースは稀です。

 

野党の中でも、与党との協議を模索する国民民主や維新といった政党の候補者は、彼らからの票を得づらいといえます。逆に立憲民主や共産党、社民党やれいわ等はそれらの票を獲得しやすいのですが、その中では比較的支持率の高い立憲民主が残り1議席を取るケースが多くなります。

 

つまり、定数3のうち多数派(=世論)が2議席、少数派(=反世論)も必ず1議席を奪います。この傾向は民進党が2人擁立したケースで顕著で、与党と全く接点のない候補者と接点のある候補者が公認された結果、接点のない候補者が立憲民主の票を大量に獲得して残り1議席を確保した、という事例があります。

 

つまり参院複数人選挙区では、野党第一党の候補は世論と乖離した考えの候補者ほど当選しやすくなる、という変な傾向を見せることがままあります。

 

 

 

4/6追記:なぜ国民民主党は伸び悩むのか

 

小西洋之事件への反応で俄然評価を上げているのが、国民民主党の玉木雄一郎代表です。

 

民進党解体後、立憲民主党との度重なる合流協議を乗り越えるごとに、旧民進党・立憲民主党とくらべて一般の有権者が賛同しやすい政策を語っているように見えます。しかし、好評な政策とは裏腹に、選挙での得票数・議席数は伸び悩んでいます。

 

こうなってしまう理由は論理的には単純です。国民民主党は国民の多数派の考えの方から評価をあげているのですが、日本の有権者の多数派は基本的に与党に投票してしまいます。多数派かつ非自民の票もあるにはありますが、だいたい維新に流れています。

 

選挙は基本的に有権者1人につき1票しか投票できませんので、その票が与党(や維新)に流れてしまうと、国民民主党はほとんど得票できないことになってしまいます。

従って、野党は少数派の有権者をターゲットにしたほうが議席・票を獲得しやすくなります。

 

ただし維新が馬場体制になって立憲民主党と共闘する道を選んでしまったこと、また Colabo 問題で一部議員がおかしな言動を繰り返したことから、保守層(多数派)のうち反与党の票が維新から国民民主党に流出する可能性はあります。