本家いなてい

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日本ブログ村の政治ブログ・民進党(旧民主党・旧維新の党)で常時1位の誉れ高いブログ(なおエントリー数は2ブログ)

04/05追記:立憲民主党の小西洋之議員、まさかの別件で窮地に

 

 

いわゆる小西文書の真贋や精度が問題視されていた、立憲民主党の小西洋之議員。

 

閣僚に辞職まで迫ったものの立証責任を果たさなかったため、立証できない場合の自らの責任はどう取るのか?という意味で炎上していました。すわ、永田寿康メール事件の再来か?!

 

ところが、3/29になって全く別の炎上事件が発生してしまい、小西文書が一気に霞んでしまう事態になりました。

 

 

 

いままでのあらすじ

 

小西文書については散発的にしか扱っていないのですが、なぜかもはや話題の本旨から外れてしまったのでご参考程度に:

 

www.inatei.com

 

www.inatei.com

 

後発の問題があまりにも大きすぎたためにそれまでの全てが中途半端なまま放置されていますが、問題点のみ一旦列挙しておきます。

 

直接的な問題は:

  • 小西文書自体の存在の真贋
    • 松本総務相「省内に電子データがあるので公文書扱い」
  • 小西文書の内容の真実性
    • 高市大臣や関係者への確認無し
    • 高市大臣に言及された4ページについては、電話のやりとりを見た記載者が憶測で書いた体をとっている
    • 小西議員「作成者はおそらく、私の元上司・元先輩・元後輩」と発言したが、記名などの証拠はない
  • 総務省の公文書管理の問題
    • 総務省「行政文書管理簿に記載(登録)無し」=共産党宮本岳志議員の質疑に対する答弁
    • 小西議員「超一級の極秘文書」
    • 文書が公文書である以上情報漏洩問題となることは確実、内容の信憑性が疑われれば公文書偽造などの可能性
  • 内容の違法性
    • 内容が事実だと仮定した場合でも、放送法4条への抵触などの違法性は薄い
  • 閣僚への辞任要求とそれへの対応の是非
    • 質疑者が気軽に辞任を迫ってきたため仕方がない面はあるが、閣僚が安易に辞任の可能性を肯定するのは問題ではある
  • 報道への圧力の有無
    • 小西議員によると、該当文書は政権がマスコミ報道の公平性について解釈を変更し、圧力をかけた証拠になるとのこと。(あくまでも小西視点)
  • 末松委員長に対する批判
    • そもそも国会質疑で閣僚と議員の立場は対等ではなく、末松委員長が基本的に閣僚側しか注意できないのは仕方がないと思います

 

付随して発生した問題は:

  • マスコミやネット民に対する恫喝問題
    • 手当たり次第に法的措置をちらつかせる等
  • 憲法学者という自称
  • 麻生食品問題
    • 一部ブログやYoutuber による指摘。ただし違法性の有無が微妙、違法としても証拠として微妙。金額規模的にも微妙。
    • とはいえ、小西議員が無視も反論もせずいきなり法的措置をちらつかせたため、むしろ違法性を疑われる事態となった
  • 一連の騒動により、過去の問題が掘り起こされる
    • 今回同様に繰り返されていた、「法的措置」恫喝
    • 2021/3/19参院予算委で質疑に立った田島麻衣子議員は、事前通告手続きの不備により質疑に詰まる。その際小西議員が「嘘でもいいから」と発言し、その瞬間が国会中継で拡散された

      www.weblio.jp

    • 後日維新の鈴木宗男議員が国会でこれを問題視した際、鈴木議員に対して秘密を知っているかのような脅迫とも取れる野次を飛ばし、これも中継された

 

 

衆院憲法審査会に対し「猿」「蛮族」「野蛮」

 

www.nikkei.com

 

立憲民主党の小西洋之参院議員は29日、週1回の開催が定着している衆院憲法審査会を念頭に「毎週開催は憲法のことなんか考えないサルがやることだ」と批判した。

 

いわゆる小西文書事件では、高市早苗経済安保相が進退をかけたかのような答弁を行ってしまったため、マスコミは内容の真贋や違法性はそっちのけで閣僚の進退問題として報道し続けました。

 

それはさもマスコミが小西議員の味方であるかのような現象でしたが、3/29になって突如、その図式は崩壊します。

 

参院憲法審査会の幹事懇談会後、小西洋之議員は記者団に対し、衆院憲法審について「何も考えていない人たち、蛮族の行為だ。野蛮だ」「憲法を真面目に議論しようとしたら毎週開催なんてできるわけがない。私は憲法学者だが、毎週議論はできない」「いつ最高裁判決や外国の事例を研究するのか。衆院なんて誰かに書いてもらった原稿を読んでいるだけだ」と発言。

 

この記事が共同通信社により配信され、それを受けたNHKや産経新聞・FNN、日経新聞などがいち早く報じました。

 

これは衆院憲法審査会全体に対する侮辱になりますが、そのメンバーには立憲民主党議員も当然含まれており、普段なら守ってくれたであろう同党所属議員たちの逆鱗に触れてしまいました。言うまでもなく、他党の議員たちも激怒しています。

 

 

 

オフレコを切り取り報道された!法的措置だ

 

news.livedoor.com

 

30日には会見を行い、自身の「サル」発言について、「不快な思いをした方にはおわびしたい」と謝罪しつつも、「オフレコ(非公表の談話)の場と認識していた。オフレコでなければ、言わない話」と発言。さらに、撤回した発言を切り取って報じられたとした上で、「法的に問題のある表現行為があったのではないか。今、顧問弁護士と相談している」とも話していた。

 

翌3/30になって小西議員は、ツイッターや会見等で一応の謝罪会見を行いました。

 

ところが「報道により不快な思いをさせた」という言い回しが「自らの発言の問題ではなく報道に問題があった」と受け取られたこと、「オフレコ発言を切り取られた」と言い訳したこと等により、逆効果となりました。

 

特に問題だったのは「謝罪といいつつ報道に対し法的措置を匂わせたこと」で、これにより今まで自らに忖度した報道を繰り返してくれていたマスコミ各社をすべて敵にまわしてしまいました。

 

特に、法的措置の対象としてあげたマスコミは共同通信社から配信された記事を転載しただけだったのみならず、その配信元の共同通信については言及がないなどちぐはぐとしたものでした。

 

 

「2月に総理秘書官を務めていた荒井勝喜氏が、性的マイノリティーをめぐり『見るのも嫌だ。隣に住んでいたらやっぱり嫌だ』とオフレコで発言したことが報じられ批判が殺到。その結果、すぐに更迭されました。このとき、小西議員は《こんな差別発言をする総理秘書官が官邸にいるのが信じられない》とTwitterで批判していました」(政治部記者)

 

そして同記事(女性自身)には、かつて小西洋之議員が官僚のオフレコ発言を問題視していたことを指摘。言動のダブルスタンダードっぷりが指摘されます。

 

 

 

オフレコだけどオフレコじゃない?!

 

mainichi.jp

 

 29日の小西氏への取材は、毎日新聞を含む複数社が参加。実名報道を前提とする「オンレコ」取材で、ICレコーダーで録音していた。小西氏は「サル発言」の前後に「オフレコ発言しないほうがいいかもしれないけど」「サルって言ったら差別発言になるのかな?」などと述べたが、撤回や修正はしなかった。小西氏は30日、記者団に「普段からオフレコでも記者の求めがあれば録音に応じていた」などと説明した。

 

さてここまでで、「取材に応じていたのに、何がオフレコなんだろう?」と疑問に思われた方も多いと思います。身内での発言ならともかく、マスコミ各社を前ににして公に発言する場でオフレコ、というのは違和感があります。

 

その辺を読み解くことができるのがこの毎日新聞の記事で、この会見での発言はやはり「オンレコ」、録音などもばりばり行われているものだったとのことです。

 

問題は小西議員が「普段からオフレコでも記者の求めがあれば録音に応じていた」などと語っていることから、どうも小西議員は「問題になりかねないと自らが感じた発言は、マスコミ各社が勝手にオフレコ扱いにしてくれる」という前提で考えていたようです。

 

 

 

参院憲法審査会の野党筆頭幹事から更迭

 

www.j-cast.com

 

   立憲民主党の泉健太代表は2023年3月31日の定例会見で、衆院憲法審査会をめぐる「サル」「蛮族」発言が問題になっていた小西洋之参院議員について、参院憲法審査会の野党筆頭幹事から更迭すると発表した。

 

「猿」発言については、衆院憲法審査会で野党筆頭幹事となっている立憲民主党・中川正春議員や同党水岡俊一議員も、相次いで苦言を呈する事態となりました。「衆院憲法審査会」として自らが中傷の対象とされたこともありますが、今回の件では立憲民主党議員の反応は総じてまともに感じます。

 

中川議員にくわえ、泉健太代表や長妻昭議員なども「党の見解とは異なる」と、あくまでも小西議員一人の問題であることを強調。

 

今回もっともとばっちりを食らったのは泉健太代表で、3/31に行われた定例会見でこの「猿」「蛮族」発言について陳謝をしました。同時に、処分として小西議員を参院憲法審査会の野党筆頭幹事から更迭する旨を発表しました。が

 

ところがここで、産経新聞記者が小西議員から「オフレコで、しかもその場で撤回した発言をよくも書くなあと呆れますが、書くのであれば以下の発言をちゃんと追記するように伝えてください。修正しないなら意図的な記事として、法的措置をとります」という内容の LINE を送りつけられたと伝えられると絶句。

 

どうも泉代表の反応からすると、小西議員が猿発言などの問題で謝罪会見らしきものを行った、ということだけは把握してたものの、その内容までは把握しきれていなかったようです。もっとも、小西議員が個人的に行った会見であったため、代表とはいえ内容までつまびらかに把握していないのは仕方がない面はあります。

 

ただその会見の場でもマスコミへの圧力とも取れる言動が繰り返されていたため、もしその内容を押さえていれば、産経新聞記者から突然 LINE の内容を暴露された場合でも、相応の覚悟を持った上で受け答えができていたであろうと思います。仕方がないことですが・・・

 

おそらく、立憲民主党としてもあらためて処分を決めることになる、決めざるをえないと思います。

 

 

 

ご参考2:小西議員は勝つべくして勝った議員

 

www.inatei.com

 

ご参考として、昨日書いたエントリーのリンクを貼っておきます。ここで出している参院選の事例が、言うまでもないのですがそういうことです。

 

 

 

忘れてた:自称憲法学者

 

今回の問題は立憲民主党自身に加えて当然他党、それもかつて民主党として同じ釜の飯を食っていた国民民主党の玉木雄一郎議員や無所属の北神圭朗議員からも苦言が出ています。

 

うち北神圭朗議員が特に指摘しているのは、むしろ小西議員が自らを「憲法学者」と自称した点です。

 

この事実関係について衆院憲法審査会の森英介会長(自民)や立憲民主中川正春議員に対して確認が依頼されたのですが、実は確認するまでもなく小西議員自らが「憲法学者から自らの発言だか何だかを引用されたことがあるから憲法学者」という、よくわからない理由を言っていました。

 

 

 

04/05追記:小西洋之議員はなぜ炎上したのか?

 

今回は小西洋之議員が大炎上し留まるところを知らない勢いですが、はっきり言ってしまうとこの人は以前から非常に攻撃的なことで有名でした。

 

但しその矛先は主に政府与党とその支持者に向かっていたため、いかにネットで炎上しようとも、政府与党を叩きたいだけであった野党各党が問題視することはほぼありませんでしたし、マスコミ各社もほとんど報じませんでした。

 

今回大問題となった理由は、主に2つあります。

 

それまで何かにつけて法的措置をちらつかせて恫喝を繰り返してきた小西議員ですが、多くの恨みを買っているためいつかしっぺ返しを食らうだろう、と思っていました。しかし、とうとう今回の炎上に至るまで、そのようなことはありませんでした。

 

2023/3になって国会質疑いわゆる「小西文書」を持ち出して高市大臣を攻撃しはじめましたが、作成者の記名が無いことから初動時点からその信憑性が疑われていました。これは永田寿康メール事件と同じ図式であり、小西議員が意外な形で政界を去ることになりそうだ、と思いましたが、立証責任が果たせないものの3月末まで攻撃を止めるまでの状況に至らず、杉尾秀哉議員などとともに延々と騒いでいました。

 

旗色が一気に悪化したのは3/29の「猿」発言の影響です。そのターゲットは衆院憲法審査会のメンバーであり、そこには当然ながら立憲民主党の衆院議員も含まれていました。身内を攻撃してしまったことで、政界の空気が一変します。

 

それだけであれば、まだ身内(野党全員)に頭を下げてまわれば、強引な火消しはできたと思います。

 

しかし小西議員は、猿発言を報じた産経新聞などに対し「オフレコ発言を切り取られた」などとバッシングしはじめました。しかし実際にはオフレコという宣言などは特になく小西議員が勝手にそう思い込んでいただけで、マスコミ各社は通常の会見としてとり扱いました。

 

その記事は産経の独自記事ではなく共同通信社から配信されたものだっこと、産経新聞記者がそれを指摘すると「共同通信社に言って書き直させろ」と主張、更に LINE でいちいち記事の修正方法まで指示するメッセージを投げていたことが暴露され、しかも「BPOに訴える」といった記述まであったことから、マスコミ各社は「報道への圧力」として一気に報道するようになりました。

 

今回小西議員はマスコミに真正面から喧嘩を売った形になるので、将来的な選挙で勝てるのか、そもそも公認を得られるのかわかりません。いままでの、ネットの中だけで炎上していた状況とは訳が違うことは明らかです。(マスコミの影響はいまだ大きいのだな・・・)

 

問題は立憲民主党で、常識的に考えればマスコミに喧嘩を売った議員はそれだけでネガティブ報道の要因となるため、切り捨てたくはなる存在だと思います。しかも衆院憲法審のメンバーは猿発言を浴びせられた当事者であり、そこまで言われてなおマスコミから守ってやろうという気はしないでしょう。

 

ただ立憲民主党の泉健太執行部や長妻昭議員などは常識的な反応を見せているものの、旧執行部の重鎮と呼ばれる面々がどうも事態を飲み込めていないような発言を繰り返しており、小西公認問題が野党内政局を引き起こす可能性もありえます。