
自民党総裁選が2025年10月4日に開票が行われ、高市早苗氏(64歳)が新たなリーダーに選出されました。
日本初の女性総理(予定)
1955年の結党から70年の節目において、自民党の総裁に女性が就任するのはこれが初めてとなります。
高市氏は今後、10月中旬に召集される臨時国会での首相指名選挙を経て、日本史上初の女性首相が誕生する見通しです。
この歴史的意義について、『百合子とたか子 女性政治リーダーの運命』の著者である三重大の岩本美砂子名誉教授(女性学)は、「『ガラスの天井』は破られた」と評価し、「第一号」となる女性総裁の誕生により、今後、首相を目指す女性が出てきやすくなると述べています。
高市氏は、政治と無縁のサラリーマン家庭で育ち、マーガレット・サッチャー元英首相に憧れた保守の論客として、「ガラスの天井」を破ったと評されています。
決選投票で予想を覆す勝利
今回の総裁選は、高市早苗前経済安全保障相と小泉進次郎農相(44歳)との決選投票までもつれ込みました。
決選投票では、国会議員票295票と、各都道府県の党員・党友票の得票数に応じた47票の計342票が争われ、高市氏は185票を獲得し、小泉氏の156票を下して第29代総裁に選出されました。
みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは、高市氏の勝利は「本当に想定外」との見方を示しています。
高市新総裁(新総理予定)の政策
総裁選出を受け、高市氏は自民党の新しい時代を刻んだとし、さまざまな政策を「スピーディーに実行しなければいけない」と強調しました。
また、当選決定時の演説では、「私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます。働いて働いて働いて働いて働いて参ります」と強い決意を表明しています。
高市氏は奈良2区選出で当選10回(1961年3月奈良県生まれ)であり、神戸大学経営学部を卒業後に松下政経塾に入塾しています。
政治思想としては自民党内でも保守的とされ、安倍晋三元首相に思想信条が近く、党内きっての保守派として安倍氏の「遺志を継ぐ」と公言しています。
尊敬する人物としてサッチャー元英首相、松下幸之助氏、両親を挙げ、愛読書は『サッチャー回顧録』です。
政策面では、高市氏は大胆な金融緩和や機動的な財政政策を柱とした安倍元首相の「アベノミクス」路線を継承します。財政健全化については、純債務残高の対国内総生産(GDP)比が緩やかに低下する財政運営を目指すとし、防衛費など将来世代に恩恵が及ぶ投資には赤字国債の発行も選択肢としています。
金融政策に関して、日本銀行は0.5%の政策金利を「維持すべきだ」との立場を示しています。
また、中間層を厚くするために、所得税を減税し、引ききれない分は給付する給付付き税額控除が必要だと訴え、税と社会保険料、社会保障給付を一体的に議論する国民会議の設立を目指すとしています。
高市氏は、立党70年の節目に自民初の女性総裁として力強く党を立て直し、「ガラッと景色を変えていく」こと、そして党員と党本部を直接つなぐシステムをつくり党員の声を聞きたいという党運営の方針も示しています。
人となり
個人的な側面では、高市氏はプロ野球・阪神タイガースの熱心なファンであり、20年以上愛車としていたトヨタのスポーツカー「スープラ」は修復(レストア)され、自動車博物館に展示されています。
また、「豚まん」をこよなく愛していることでも知られています。
今後の見通し
高市新総裁が組閣し新政権が発足すれば、喫緊の課題として、物価高対策に向けた経済対策の策定と、その裏付けとなる年内の補正予算編成の着手が求められます。
高市氏は、経済対策を早々に指示し、早期に臨時国会を召集して補正予算の成立を急がないといけないとの認識を示しています。
また、10月末には東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議やアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が予定されており、外交日程も待ち受けています。
新政権のキーワードは「刷新感」「世代交代」と見られており、分断した党内状況を踏まえ、「挙党一致・全員野球」を演出するはずです。
特に注目される幹事長ポストには、小泉進次郎農相、加藤勝信財務相、鈴木俊一総務会長(麻生派)などが有力候補として名前が挙がっています。
鈴木氏の処遇については、後ろ盾である麻生太郎元首相への配慮が透けて見えるとの指摘もあります。
しかしながら、「刷新感」「世代交代」が打ち出されても、新政権の権力構造は麻生太郎、岸田文雄、菅義偉の3元首相や森山裕幹事長に依拠した相変わらずの「長老支配」が実態であるとの指摘があり、特に麻生氏の影響力が増す見込みです。
政策推進には野党との調整が不可欠であり、高市氏は首相指名選挙までに連立拡大を模索し、過半数を確保したい考えを示しています。
この連立拡大の軸となるのは日本維新の会との連立協議であり、維新の藤田文武共同代表は、打診があれば交渉のテーブルに就くことは当然だと表明しています。
新政権の課題は、維新の連立参画に慎重な公明党を説得し、「自公維連立政権」にこぎ着けられるかどうかにあります。
高市氏がタカ派色を強めれば、対中国、韓国外交で壁にぶつかる可能性があり、与党の公明党が距離を置きかねず、対応次第では新政権が短命に終わる可能性もあると警鐘が鳴らされています。
私見
高市勝利なので、連携を模索する相手は国民民主党になると思います。
AIに記事を書いて貰ってるのですが、どういう判断で維新が軸になると結論付けたのかはわかりません。