
自民党の高市早苗総裁と公明党の斉藤鉄夫代表は、2025年10月10日午後に国会内で党首会談を実施し、連立政権を今後も維持するかどうかについて協議を行いました。
公明党、謎の連立離脱
この会談には両党の幹事長も同席し、約1時間半にわたって行われました。
この場で、公明党の斉藤代表は、連立政権を離脱する方針を自民党の高市総裁に伝達しました。
会談が終了し部屋を出た後、斉藤代表は記者団に対し「結論は出た」と述べています。
公明党、謎の言い訳
公明党が連立離脱の方針を固めた背景には、自民党派閥の裏金問題が深く関わっています。
公明党は、この裏金問題の影響により、衆議院選挙および参議院選挙で相次いで大敗したことを重く受け止めており、自民党側が譲歩しなければ連立を離脱すべきだという声が党内で強まっていました。
具体的な政策上の争点となっていたのは、公明党が提案した企業・団体献金の受け皿を絞る規制強化案でした。
そもそも法整備が必要な案件なのに、即答できる訳がない
高市氏が10月4日に自民党総裁に選出されたことを受けて開かれた7日の党首会談で、公明党はこの規制強化案を提案しましたが、自民党側と折り合いがつかず、連立合意は先送りされていました。
自民党の高市総裁は、10月9日夜に出演したNHKの番組で、「自公連立は基本中の基本だ」と強調し、政策合意の文書を早く作れるよう一生懸命頑張ると述べていました。
しかし、公明党が強く求める企業・団体献金の規制強化案については、自民党内では受け入れにくいとする声が根強く存在していました。
責任は、斎藤代表に一任した公明党全員にある
公明党側は、連立関係を継続するかどうかの判断を、10月9日夜の中央幹事会で、斉藤代表と幹事長に一任することを決定していました。
公明党が1999年に自民党と自由党とともに連立政権を発足させて以来、民主党政権下で野党となった時期も含めて、四半世紀にわたって自民党との関係を維持してきた中で、今回の連立離脱の方針は重大な局面となります。
もし公明党が連立を離脱した場合、首相指名選挙は極めて複雑な状況に陥ると指摘されています。
私見
公明党の斉藤鉄夫氏は「政治とカネ」問題を問題視して連立から離脱しました。
しかしその斎藤氏自身、2020年から2022年にかけ、「政治とカネ」の問題を少なくとも4回起こしています。
維新が自公連立に参加できなかった大きな理由として「公明党と選挙区がかぶる」点がありましたが、公明党が連立から離脱したためこの障壁がなくなりました。
仮に自維連立となった場合、公明党は自民の推薦を得られず、対立候補の維新候補が自民の推薦を得ることになります。
斎藤氏自身にも深刻な影響があります。
斎藤氏の選挙区は衆院広島3区ですが、前回の衆院選では自民党の推薦を受けた上で、立憲民主候補に僅差で勝利しています。
今後自民の推薦が得られないことにより、他ならぬ斎藤氏自身が落選の危険に晒されています。