
れいわ新選組がコスプレで選挙活動を行ったところ、日本サンライズが異例の声明を発表する事態となりました。
まず、声優・岡本麻弥氏がれいわ新選組から立候補した経緯とその思いについてです。
れいわ新選組代表の山本太郎氏は、今回の参議院選挙で声優の岡本麻弥氏を擁立したと述べています。
岡本氏自身が立候補を決意した背景には、声優という職業の特性があります。
通常、声優はキャラクターのイメージや企業の支援といった理由から、事務所レベルで政治的な発言を控えるよう言われることが多いと彼女は説明しています。
しかし、彼女はインボイス制度の導入が「私たちの業界に大打撃を与える」と感じたことをきっかけに、複数の声優仲間と共にインボイス反対運動を開始しました。
この運動は、漫画、アニメ、演劇といったエンタメ業界全体に広がり、「エンタメ・ポップカルチャーを守ろう」という活動へと発展していきました。
当初は個人事業主やフリーランスの問題と見なされがちだったインボイス制度が、実際には日本のほとんど全ての日本人、特に99%を占める中小企業や小規模事業主に関わる問題であることに気づいたと岡本氏は語っています。
2023年10月にインボイス制度がスタートして以降、多くの事業者が困難に直面しており、来年には経過措置や2割特例が縮小・撤廃されることで、さらに多くの業種で危機的状況に陥る懸念があると感じているとのことです。
このような状況の中でれいわ新選組から声がかかった際、彼女は「伝えること」を仕事としてきた自分が、政治に無関心な層にもポップカルチャーやアニメを通じて情報を届け、「皆さんの声になる」ことができるのではないかと考え、立候補を決意したと述べています。
山本太郎氏は、国会議員になることを目的とするのではなく、「ポップカルチャーを守るためにインボイス制度と戦うことを決めた」岡本氏のような存在を「絶滅危惧種」と表現し、有権者に対し、日本のアニメ、文化、そして中小零細企業を守るために、「比例は岡本」と投票することで、彼女を国会へ送り出すよう強く訴えています。
彼は、多くの人が自分を無力だと思いがちだが、有権者には世の中を変える力があると強調しています。
これに対し、株式会社バンダイナムコフィルムワークス(SUNRISE studios)から公式な声明が発表されました。
同社は2025年7月22日付で「重要なお知らせ」として、2025年の第27回参議院議員選挙において、一部の候補者がガンダムシリーズのキャラクターを強く想起させるようなコスプレ風衣装や、シチュエーションを用いた動画・SNS投稿などでの選挙活動を行っていることについて言及しています。
この声明では、これらの選挙活動が「弊社が認可したものではない」と明確にされており、株式会社バンダイナムコフィルムワークスは、「特定の候補者を支持することはございません」という公式な立場を表明しています。
これは、著名なアニメコンテンツの知的財産が無許可で選挙活動に利用されることに対する、権利者側からの注意喚起と公式見解を示すものです。
これらの情報は、2025年参議院選挙において、ポップカルチャーが単なるエンターテインメントに留まらず、社会的な課題や政治的な活動と密接に結びついている現状、そしてそれに伴う権利関係の課題をも示していると言えるでしょう。