先日の「ここまでの新型コロナウィルス情報」にも関係するのですが、日本の新型コロナウィルス対策に関する一時情報源たる日本医師会や対策分科会自体が迷走しており、信頼性に欠けています。
- エビデンスは無いけど('∀`)<あなたを、犯人です
- 病床は空いてるけど病床数が足りない
- では「新型コロナ病床」は不足しているのか?
- 大阪府知事の吉村さん、緊急事態宣言を要請?!
- 1/25追記:また手のひらクルー!!日本医師会の中川会長、2週間前の発言をナイナイする
- 1/25追記:中川会長は「上から目線」
エビデンスは無いけど('∀`)<あなたを、犯人です
これは先日書いた通りなのですが、この辺の肩書を持った人間が「エビデンスが無いまま」原因を決めつけている、といった点が不信感の根源としてあります。
このため、一旦は人の移動を制限すべく GoToトラベルの停止を政府に進言したものの、年が明けても効果が出るどころか数字が悪化するに至り、緊急事態宣言で今度は飲食店への時短要請を進言することになってしまっています。
病床は空いてるけど病床数が足りない
いわゆる医療崩壊は、一部の医療機関で(すでに)起こっている。(感染患者を)受け入れている病院は、これ以上(患者を)受け入れれば感染対策が不十分になり、他の疾患の患者を受け入れられないなどの問題が出てくる。
この東洋経済新聞の記事のように、新型コロナによる病床不足のため「他の疾患の患者」が入院できなくなる等の指摘が出ています。
が
一部の医療機関のみが感染患者を引き受けることにより、医療機関の間に負担の大きな偏りが生じている。
上の引用部の直後に言及されているのですが、これは「新型コロナ患者を受け入れている病院」に限られた話であり、他の疾病の患者は他の病院に行けばいいだけの話です。
どうしてこんな即オチな記事を書いたのか・・・???
日本医師会の中川俊男会長は6日の記者会見で、民間病院では新型コロナウイルス感染者の受け入れが少ないとの指摘に対し、「コロナ患者をみる医療機関と通常の医療機関が役割分担をした結果だ。民間病院は面として地域医療を支えている」との見解を示した。
この点については1/6の日本医師会の記者会見でも記者から言及されており、ここで例の中川会長も医療機関毎に「役割分担をしている」と回答しています。
よって、新型コロナ患者が激増したところで、他の疾病の治療への影響は限定的です。
では「新型コロナ病床」は不足しているのか?
はてさて、それでは「新型コロナウィルス治療用の病床が不足しているのか?」という疑問が出てくるのですが、まずは 数字を見てみましょう。
これは1/9時点の数字ですが、
現在患者数 53,026人
対策病床数 54,049床
ということで、「対策病床使用率 = 現在患者数 / 対策病床数」ということらしいのですが、これによると
対策病床使用率(参考)* 98.1%
使用率 98.1% で「病床が逼迫している」ということになるそうです。
但しこの「現在患者数」は「入院中の患者数」であり、入院する必要がある患者かどうかは分かりません。
そこで、マスコミでよく言う「ICUの逼迫」を招くであろう「重症患者」を入院治療要の指標とし、数字を見てみましょう。今朝見た時は1/8のデータでしたが、今見たら1/9のデータに更新されてました。
重症 827人
重症者 827名 / 病床数 54,049床 ですので、重症者のみで見れば病床使用率は 1.5% のはず。高齢者や基礎疾患を持つ軽症患者を予防的に隔離する目的で入院させたとしても、使用率 98% になるまでの人数を入院させているというのはさすがに不自然です。
この謎も実は合理的に解説できるのですが、ここはもう少し世論がこなれてきてから書きます。書けるタイミングくるんだろうか?
大阪府知事の吉村さん、緊急事態宣言を要請?!
関西圏で新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しているとして、大阪府の吉村洋文知事と兵庫県の井戸敏三知事、京都府の西脇隆俊知事は9日午後、西村康稔経済再生担当相とオンラインで会談し、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の発令を要請した。
びっくりしたのは、大阪府のイソ村いや吉村洋文知事が1/9に「緊急事態宣言」を政府に要請した、というお話なんですね。
なんでびっくりしたのかというと・・・
大阪府の吉村知事は府内の感染状況について、現時点では政府に緊急事態宣言の発出を要請する段階には至っていないという認識を示しました。
1/4の時点では、「緊急事態の発出を要請する段階には至っていない」と発言しているんですねこの人。
政府および他2県知事とのオンライン会議の場で要請していますので、感染拡大の危機感というより「要請しなかった場合の責任追及のリスク」に動かされたんじゃないかと思います。
1/25追記:また手のひらクルー!!日本医師会の中川会長、2週間前の発言をナイナイする
新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、日本医師会の中川俊男会長は20日の会見で、「現状のままでは(治療に優先順位をつける)トリアージもせざるを得ない。助かる命に優先順位をつけなければならない。それは何としても避けたい」と語り、医療が極度に逼迫(ひっぱく)していることへの危機感を改めて示した。
1/20のことですが、日本医師会の中川会長は突如「現状のままではトリアージもせざるを得ない」と言及しました。
※おそらく本来のトリアージの意味ではなく、単に「入院させる患者の優先順付け」という意味でしかないと思います。これは蛇足。
ここで、先ほど引用した記事をあらためて持ってきましょう。
日本医師会の中川俊男会長は6日の記者会見で、民間病院では新型コロナウイルス感染者の受け入れが少ないとの指摘に対し、「コロナ患者をみる医療機関と通常の医療機関が役割分担をした結果だ。民間病院は面として地域医療を支えている」との見解を示した。
1/6に「コロナ患者をみる医療機関と通常の医療機関が役割分担をした」と発言してからわずか2週間で、発言が180度変わってしまいました。一体これはどういう事なのか・・・?
わうか2週間の間に事態が急変した、というより、中川会長が毎回その場限りの発言をしているように思います。鳩山テクニックですね。役職も役職ですので、もう少しご自身の発言に責任をもって戴きたいもの。
1/25追記:中川会長は「上から目線」
テレビ生出演中にこの会見をリアルタイムで見た木村氏は「新型コロナウイルスの最前線で働いてらっしゃる医療関係者のことを責めたことは一度もありません!」と否定。木村氏はこれまで、第一波から現在まで「無策」で医療マネジメントに手を打ってこなかった「厚労省と医師会」を批判している。
中川会長の会見に「医療キャパシティーを増やすのに大変だから、飲食店や国民が犠牲になればいい、とかそういう上から目線で話してることがすごく気になった」と指摘。
京都大学大学院教授の藤井聡氏も物流業界や電力業界など需要が急激に高まっている業界を例にあげ、「医療業界以外、こんな上から目線でこんな言い方しない。医療業界だけが(上から目線を)許されてる、ってのは本当に憤りを感じます」と憤慨した。
中川会長の「トリアージ」発言に至って、さすがに医療関係者からも批判が噴出。
東京医師会会長や関連学者もふくめ、めいめいにマスゴミに出演しては自分にとって都合の良い主張ばかりを一方的にどなり散らす型費で行う姿は、他の人には反感しか与えないでしょう。
新型コロナウィルスの被害に遭っているのは、医療関係者のみではありません。