本家いなてい

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ゼレンスキーの賭け: 空と海の停戦はロシアの侵攻を止められるか?

 

ゼレンスキー大統領が提案した空と海域での停戦は、ロシアが拒否。米ロ交渉でウクライナが困難な立場に置かれる中、ヨーロッパはウクライナの安全を保証するために独自の役割を模索しています。

 

 

 

ウクライナの立場

 

ゼレンスキー大統領は、停戦の条件として、空域と海域、エネルギー施設での休戦、捕虜交換を提案しています。また、フランスが提案した空と海の停戦案に同調し、戦争終結への糸口としています。ただし、ウクライナを放棄する代償を払ってまで平和を望んでいるわけではないと強調しています。

 

 

 

ロシアの立場

 

ロシア外務省は、マクロン氏らが提案した停戦案に対し、最終的な合意なしに猶予を与えることは受け入れられないとして否定的な見解を示しています。また、停戦後のウクライナへの平和維持部隊派遣について、NATOの駐留とみなして受け入れない姿勢を示しています。ロシアにとってのレッドラインは、ウクライナが長射程ミサイルを保有しないこと、あるいは西側が供与しないことであり、領土問題よりも軍事的脅威の除去を重視しています。

 

 

 

EUの立場

 

EUはウクライナと連帯して停戦交渉に関与することで合意していますが、ロシアの意向を重視するハンガリーは合意文書に署名していません。

 

 

 

アメリカの立場

 

アメリカはウクライナの安全保障に完全にコミットする意思はなく、トランプ大統領はウクライナへの軍事支援を一時凍結したと報じられています。ただし、米国との協力を通じて永続的な平和を実現できるという共通のビジョンをウクライナと共有していると述べています。

 

 

 

ヨーロッパの立場

 

ヨーロッパは、独自の軍隊を創設してウクライナの安全保障にコミットする可能性も示唆されています。ただし、ヨーロッパの極右勢力の間では、トランプ氏のウクライナ停戦案や対ロシア外交に対する受け止め方に温度差があり、一枚岩ではないことが指摘されています。ドイツには長射程ミサイルを供与する能力があり、フランス、イギリスと共にある種のヨーロッパ軍を創設し、アメリカから独立する動きが出てくる可能性も指摘されています。

 

 

 

米ロ交渉

 

米ロ間ではウクライナの安全保障という観点が入り込む余地がない交渉が行われており、アメリカの交渉意欲が続く間にロシアがどこで合意するかが焦点となっています。

 

 


その他

 

トランプ大統領は、ウクライナ問題への対処姿勢として、第二次大戦後の国際秩序維持ではなく、バランス・オブ・パワーの世界観を持っていると指摘されています。

 

ロシアは、ウクライナがロシアの脅威にならないことを望んでおり、アメリカがコミットしない場合、ヨーロッパとの関係で決まってくるというシナリオも視野に入れています。


ウクライナはアメリカの支援停止により、戦闘に大きな影響を受けており、ヨーロッパだけの支援では半年程度しか持たないという試算もあります。

 

米ロがウクライナの利益を無視して好き勝手をやる可能性があり、その場合、ロシアにとって都合の良い形になれば、専制主義国家がますます好き勝手にやってしまう可能性があると指摘されています。