本家いなてい

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フィリピンのドゥテルテ前大統領逮捕

 

フィリピン大統領府は2025年3月11日、ドゥテルテ前大統領が逮捕されたと発表しました。

 

 

 

逮捕の概要

 

逮捕の理由は、ドゥテルテ氏が大統領在任中に推進した違法薬物対策「麻薬戦争」を巡り、国際刑事裁判所(ICC)が「人道に対する罪」の疑いで捜査し、逮捕状を発行したためです。

 

ドゥテルテ氏は2016年から2022年まで大統領を務め、その間の強硬な麻薬対策により、政府発表では6000人余りが死亡しましたが4、警察は7000人以上としており3、人権保護団体はさらに多い3万人が殺害されたとの見方を示しています。

 

ICCは2018年に予備調査に着手しました。フィリピン政府は2019年にICCから脱退しましたが、ICCは麻薬戦争が行われた当時はフィリピンが加盟国であったとして、捜査権が及ぶとの判断を示しています。

 

ドゥテルテ氏は3月9日に香港で開かれた政治集会に出席し、3月11日午前にマニラのニノイ・アキノ国際空港(マニラ国際空港)に帰国した際に逮捕状が執行されました。逮捕状は国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)を通じて身柄拘束が求められ、マニラのICPO当局がICCから逮捕状の写しを受け取ったとされています4。比当局は午前9時20分頃に逮捕状を執行しました。

 

マルコス大統領は昨年11月、ICCがICPOを通じて逮捕を要請すれば、身柄拘束に協力すると表明していました。ドゥテルテ氏の逮捕は、同氏を支持する勢力の反発を招き、マルコス大統領の政権運営が不安定になる可能性も指摘されています1。昨年10月には、ドゥテルテ氏の元側近の警察幹部が密売人殺害の報酬システムについて証言するなどしていました。

 

ドゥテルテ氏を巡っては、ICCが「人道に対する罪」の疑いで逮捕状を発付し、ICPOを通じて身柄拘束を求めていました2。ICCは、麻薬密売人の超法規的な殺害を命じた大統領在任中の行為が「人道に対する罪」に当たると判断しています。

 

 

 

大統領としての経歴

 

ドゥテルテは、2016年6月30日から2022年6月30日までフィリピン共和国の第16代大統領を務めました。


ドゥテルテの大統領としての主な出来事と政策は以下の通りです。

 

麻薬対策 大統領就任前から麻薬撲滅のために厳しい態度で臨むことを表明しており、就任後の施政方針演説では「麻薬王や資金源、密売人の最後の一人が自首するか、あるいは投獄されるまでやめない。彼らが望むならあの世に葬り去ってもよい」と公言しました。


他国との関係 ドゥテルテは、中国との関係を強化し、南シナ海問題をめぐり中国と二国間協議を開始しました。また、アメリカとの関係は複雑であり、当初はオバマ大統領を侮辱するなど敵対的な姿勢を示しましたが、トランプ大統領とは良好な関係を築きました。日本に対しては、経済協力や和平協議支援を高く評価し、親日家として知られています。


内政 ドゥテルテ政権下では、秩序の回復が重視されました。ダバオ市長時代には、犯罪発生率を劇的に軽減させることに成功し、「東南アジアで最も平和な都市」を標榜していました。

 

閣僚 ドゥテルテ政権の閣僚には、副大統領のレニー・ロブレドや、官房長官のサルバドール・メディアルデア、外務相のパーフェクト・ヤサイ・ジュニアなどがいました。

 

引退 2022年6月の任期満了をもって大統領を退任し、同時に政界からも引退する方針を示しました。