民主党・野田佳彦政権が可決・成立させた「社会保障と税の一体改革関連法案」俗にいう「消費増税法案」。
安倍政権下で幾度かの延期を繰り返しましたが、それも限界となり、いよいよ施行となります。廃止するためには、財源として当て込んでいた政策の見直しを含め、改正法案を可決成立させなければなりませんので。
しかし消費増税を行えば、消費の鈍化、つまるところアベノミクス政策による景気拡大は終焉を迎えてしまう。民主党政権が残した、埋伏の毒です。
この消費鈍化・景気後退を避ける妙案として考えられたのが、「ポイント方式による増税分の還元」でした。
- 基本路線は、現行のクレジットカードやキャッシュレス決済
- ポイント還元の受けられるクレジットカード会社
- ポイント還元の受けられるキャッシュレス決済方式
- マイナンバーカードの扱いは?
- 方式が固まるまでに検討・合意された内容は?
基本路線は、現行のクレジットカードやキャッシュレス決済
この「消費増税分のポイント還元」ですが、残念ながら現金決済では恩恵に預かれないようです。
理由は単純で、単にポイントを付与する基盤というかサービスと紐付かないからです。
政府としては、この「ポイントを付与する基盤」+「キャッシュレス決済の普及」の両立を目論み、クレジットカード決済を基本路線として考えているようです。
日本は現金至上主義の面があり、現金の価値がまず暴落せず、持ち歩いていても犯罪に会うリスクが諸外国ほど高くないなどの理由があり、キャッシュレス決済が普及していない状態です。
しかし外国人訪日客を呼び込む目的もあり、キャッシュレス決済を普及させたいという事でしょう。
ポイント還元の受けられるクレジットカード会社
さてポイント還元を行うためにはカード会社の協力が必要不可欠となってきますが、日経新聞の記事によると以下のカード会社が参加を表明しているようです。
- ジェーシービー(JCB)
- 楽天カード
- 三井住友カード
- 三菱UFJニコス
- クレディセゾン
これだけマークされていれば、国内のクレジットカードの多くは対応してくれそうです。
しかし、「JCB」が国際ブランドのほうまでマークしてくれるかは、記事からは読み取れませんでした。
国際ブランドがVISAやMasterCardのイオンカードはおそらく恩恵に預かれませんが、「JCBブランドのイオンカード」は今のところ恩恵に預かれるか不明です。
の大手5社が参加する方針。月内にも機関決定するもようだ。5社のカード取扱高の合計は国内の過半を占め、他のカード会社も追随するとみられる。
ポイント還元の受けられるキャッシュレス決済方式
クレジットカード以外の「キャッシュレス決済」でも、少なくとも以下のサービスが対応するようです。
- ペイペイ(PayPay)
- NTTドコモ
- メルカリ
- LINE
- オリガミ(Origami)
但しバーコード決済は確かにキャッシュレス(決済に現金を使わない)とはいえ、時代に逆行するアナログチックな方式であり、不正が行われやすい方式です。
店舗側の導入コストがほとんどかからない事から中国を中心に爆発的に普及しましたが、その中国が、それらの欠点を理由に急速にバーコード決済から離脱しつつある状況です。
そのため、やはりキャッシュレスの主戦場、ポイント還元の主戦場はクレジットカード決済になっていくものと思います。
マイナンバーカードの扱いは?
個人的には、普及が遅れている「マイナンバーカード」にポイントを紐付ければ良いと思ったのですが、そうはならないようです。
店頭で提示するような形にすれば、現金決済でもポイント還元できますし、マイナンバーカードの普及に一役買うと思うんですけどね。
「カードの番号が見られるとセキュリティーガー」とかいう、例の左翼の謎クレームの影響ですかね・・・?
こういう時でもないと、「マネーロンダリング防止が主目的」で所持自体に恩恵の無いマイナンバーカードを普及させるのは難しいと思います。
方式が固まるまでに検討・合意された内容は?
政府とクレジットカード会社の間の協議のポイントは、「カード会社が加盟店から取る手数料の上限」だったようです。
中小店舗をポイント還元対象とする以上、手数料を低く抑えたい政府。一方、貸し倒れや支払い遅延のリスクを恐れ、安全マージンを確保したいカード会社。
結局、手数料の上限は設けるものの、恒久的な措置とはしないことにし、カード会社側も合意したということのようです。