民進党と希望の党が合流する計画(民希合併)は、民進党・希望の党ともに分裂含みの展開になっています。
しかし分裂の影響が最小限で抑えられた場合、衆院野党第一党を立憲民主党から奪い取る形になりそうです。
その場合、いままで政府与党が「衆院は第一党の立憲民主党と協議」「参院は民進党と協議」せざるを得ず、立憲民主党と民進党の回答の違いにより国政を停滞させざるを得なかった状況を好転させる可能性があります。
野党の政局ながら、これは喜ばしいことです。
民希合併「新民主党」、衆院議員55人確保を視野に
希望の党の玉木雄一郎、民進党の大塚耕平両代表は9日、国会内で会談し、5月中の新党結成を目指し、協議を始めることで合意した。
3/末に勃発した「民希合併第二ラウンド」は、4/9にふたたび協議開始で合意。
5月中の新党結成をめざすようです。
2017年の衆院選前に分裂した民進党勢力を結集し、政権批判の受け皿をめざす。衆院で立憲民主党を上回る55人以上の会派となり、野党第1党になれるかが焦点だ。新党の規模は今後の国会を左右する。
注目すべきは、「新民主党(仮)」が衆院議員55名を確保できるかどうかという点です。
「新民主党(仮)」、衆院議員55名以上確保なら野党第一党に!野党健全化なるか
現在の野党は、衆院第一党が立憲民主党、参院第一党が民進党でねじれています。
通常「衆参のねじれ」というのは参院で与党が少数派になりレームダック化することを指しますが、現在は衆参とも与党が多数派であるにもかかわらず「野党側のカウンターパートが異なる」ため与野党の事前調整もままならない状態になっています。
野党はゴシップネタで政局遊びを繰り返していますが、このねじれのせいで政策論が展開できないという側面もあります。
現在、立憲民主党の衆院議員は54名。新民進党(仮)が衆院議員を55名確保できれば、この政党が衆参ともに野党第一党となり、野党内のねじれが解消します。
実際には・・・野党健全化の道は厳しい
現在、希望の党の衆院議員+民進党の衆院議員=63名です。合併協議に伴う分裂で、離党者が計8名以内に抑えられればこの政党は衆院第一党になります。
これにより国会論戦が正常化する期待がわずかながらできます。しかし、実際には希望の党は松沢派や細野豪志さんのような合流否定者が存在し、また民進党ともども立憲民主党への移籍を公言する議員も存在するため、この可能性は極めて低いと言わざるを得ません。
その場合、野党のねじれは少なくとも来年の参院選まで続くことになります。