
2026年9月に愛知・名古屋で開催されているアジア大会(アジア競技大会)において、韓国代表チームに関連する運営上のミスが複数発覚し、韓国メディアや大韓体育会が強く抗議する事態となっています。
特に注目されているのは、男子ホッケーの試合で韓国の国歌を流す場面で誤って北朝鮮の国歌が演奏された件と、近代五種の表彰式で韓国チームを「中国」と紹介してしまった件です。
これらのトラブルは、南北の緊張関係や国際スポーツ大会における国家の扱いというデリケートな問題を背景に、韓国国内で大きな波紋を広げています。
男子ホッケーで北朝鮮国歌が誤演奏
問題が発覚したのは、9月18日に岐阜県各務原市で行われた男子ホッケーの韓国対バングラデシュ戦です。
試合開始前の国歌演奏セレモニーで、場内アナウンスが韓国国歌を案内したにもかかわらず、実際に場内に流れたのは北朝鮮の国歌でした。
韓国メディアが報じた映像によると、韓国代表の選手たちは一様に困惑した表情を浮かべ、当惑しながらも硬い表情で立ち尽くす様子が確認されています。
大会組織委員会はその後、場内放送で「国歌を間違えた」と謝罪のアナウンスを行ったものの、すぐに韓国国歌を演奏せず、先にバングラデシュの国歌を演奏しました。
韓国国歌は試合開始の直前にようやく流されましたが、選手たちは正式な国歌斉唱の機会を失う形となりました。
試合自体は韓国が5対0で勝利しましたが、運営上のミスは韓国側に強い不満を残す結果となりました。
この事態を受け、韓国
の大韓体育会は大会組織委員会に対して公式な抗議書簡を送付しました。
抗議文では、組織委員会としての公式謝罪、徹底的な原因究明、そして再発防止策の提示を求めています。
大韓体育会の李祥鉉(イ・サンヒョン)選手団長名義で送られたこの書簡は、単なる取り違えでは済まない重大なミスであるという認識を示しています。
大会組織委員会は、大韓体育会に対して公式に謝罪を行いました。
組織委員会の担当者は取材に対し、「誤って北朝鮮の国歌が流れた」と説明し、「再発防止に努めるとともに、本件でご迷惑をおかけした関係者の皆さまに深くおわびいたします」とコメントしています。
しかし、韓国メディアはこのミスを「前代未聞の事態」「あってはならないこと」と厳しく批判しており、監督のミン・テソク氏はテレビのインタビューで怒りをあらわにしました。
韓国メディアの一部は、このミスを2024年のパリオリンピック開会式で発生したトラブルと関連付けて報じています。
パリ五輪では、セーヌ川を遊覧船で入場した韓国選手団が、誤って「北朝鮮」とアナウンスされるミスが発生し、国際オリンピック委員会(IOC)が韓国側に公式に謝罪する事態となっていました。
韓国メディアは「パリ五輪に続き、2度目となる大会組織委側からの『北朝鮮』扱いを受けた」と指摘し、国際大会における韓国の国家としての扱いが軽視されているのではないかという懸念を表明しています。
近代五種で韓国を「中国」と誤紹介
国歌の誤演奏から間を置かず、今度は別の競技で韓国チームを「中国」と紹介するミスが発生しました。
9月20日に行われた近代五種の男子団体戦で、韓国チームが金メダルを獲得しました。
しかし、表彰式での場内アナウンスにおいて、優勝チームである韓国を紹介する際に「リパブリック・オブ・チャイナ(中華民国、中国)」と言い間違えるトラブルが発生しました。
韓国メディア「xportsnews」はこの事態を「またも大型トラブル!優勝チームの韓国を『中国』と呼称」と見出しで報じ、憤慨すべき事態であると指摘しました。
報道によると、アナウンス担当者は誤りに気づいた後、あわてて「コリア(韓国)」に訂正したものの、一度発せられた誤った呼称は韓国側に強い不快感を与えました。
このミスは、国歌の誤演奏に続く運営上の不手際として、韓国メディアによって厳しく批判されています。
女子ハンドボールでは国歌が全く流れず
さらに、9月19日に行われた女子ハンドボールの韓国対香港戦では、両チームの国歌が全く演奏されないという異例の事態が発生しました。
韓国放送局「SPOTV」は、この件を中国メディア「捜孤」も取り上げたと報じ、「韓国を狙ったのか。アジア大会で2日連続で国歌と関連したミスが発生した」と伝えています。
韓国の李ゲチョン監督は怒りを爆発させ、「多くの国際大会に参加してきたが、国歌が演奏されないのは初めてだ」と糾弾しました。
李監督は「おそらく他の種目でミスがあったので今回は気をつけようとしたようだ」と推測しつつも、「それでも理解できない」と不満を表明しています。
韓国の主将リュ・ウンヒも「なぜ国歌が流れてこないのかと尋ねた」と指摘し、試合中にはスタジアムの電子スコアボードが何度もエラーを起こしたことも告発しました。
大会運営への批判と国際的な注目
これらの一連のトラブルを受け、愛知・名古屋アジア大会の運営体制に対して韓国国内から厳しい視線が向けられています。
韓国メディアは「今回も同じ出来事が繰り返された。大会運営において継続的に問題が発生している今大会で、極めて重大なミスまで重なったことで、大会に向けられる視線は厳しいものとなっている」と指摘しています。
特に、南北関係が緊張状態にある中で北朝鮮の国歌を誤って流した件は、単なる事務的なミスを超えた政治的・外交的な意味合いを持つとして、韓国社会で大きく取り上げられています。
大韓体育会関係者は「事態を把握するため映像などの証拠を収集し、北朝鮮の国歌が流れた経緯を詳しく調べる」と述べ、組織的な調査を行う方針を示しています。
国際的にも、中国メディアがこの一連の国歌トラブルを取り上げるなど、注目を集めています。
アジア大会はアジア各国・地域が参加する大規模な国際スポーツ大会であり、国家の尊厳やアイデンティティに関わる儀式は厳格に扱われるべきとの認識が一般的です。
今回のミスは、そうした国際的な慣行に対する理解不足として批判を集める形となっています。
大会組織委員会は、これらのトラブルを受けて再発防止に努める方針を表明していますが、韓国側はさらなる説明と対策を求めています。
大会が「トラブルの大会」として国際大会の歴史に刻まれないよう、組織委員会は慎重な対応を迫られています。
情報源
[アジア大会]韓国の愛国歌でなく北朝鮮国歌が流れる…組織委が謝罪
韓国と北朝鮮の国歌取り違え アジア大会で大韓体育会が抗議 秀吉 ...
韓国戦で北朝鮮の国歌流れる 組織委「誤って流れた」 アジア競技大会・男子ホッケー(中京テレビニュース)
【アジア大会】「憤慨すべき事態」韓国代表を「中国」と言い ...
【アジア大会】また国歌トラブル発生の異例事態「韓国を狙ったのか」中国メディアも問題視(東スポWEB)
韓国戦で北朝鮮国歌を誤演奏、アジア大会組織委が「深くおわび」