韓国の尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領が、戒厳令を発令しました。
自称先進国が平時に戒厳令とか、しびれますなあ。
韓国で戒厳令
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が緊急の談話を発表し、野党側が国政をまひさせているとして「非常戒厳」を宣言しました。国民生活にどう影響するかは明らかにしていません。
韓国の大統領が、深夜に突如戒厳令を発令したということで、韓国国内は大混乱に陥りました。
なおこれをもって「クーデター」と表現している人が散見されますが、クーデターは基本的に軍部や政治家が「体制を転覆させる目的」で非合法的に行うもののため、これは間違っています。
今回の場合、体制側がその体制を非合法的に変えようとしたので、無理やり比喩するのであれば維新や変法のほうが若干近いと思います。どちらも、支配構造を継続したまま組織を改めるという意味ですので。
予兆はあった
調べてみると、李代表の発言には布石があった。
同党所属の金炳周(キム・ビョンジュ)議員が先月19日に国会国防委員会で「尹大統領は弾劾されそうになれば、戒厳令を宣布するのでは」と、尹政権に釘を刺していた。金議員は国連軍(米韓連合軍)副司令官を務めたこともある元陸軍大将である。軍歴からして軍内に独自の情報筋を持っていることで知られている。
どうも韓国では野党が弾劾をやりまくっていて、その結果として戒厳令が発令されるのではないかという予測を立てていた人もいたようです。
戒厳司令部の布告全文
5.専攻医をはじめ、ストライキ中または医療現場を離脱したすべての医療人は48時間以内に本業に復帰して忠実に勤務し、違反時は戒厳法によって処断する。
今回戒厳令発布に至った理由や経緯はいまいちよくわからないのですが、一応は「野党が多数派となったため国政を妨害し続け、大統領がブチ切れた」ってことのようです。
ただこの5項目目はさもありなん。
韓国では慢性的な医師不足を解消するため、医学部の新設を推し進めようとしていました。しかし医師が増えるとその分現行医師の収入が減るということで、医師は猛反発。韓国お得意のデモを繰り返し、医療を麻痺させています。
この5項目目は、この医師たちを強制的に現場に復帰させる意図を持っとるんやろうなあ・・・
韓国、戒厳令をあっさり解除
【ソウル=小池和樹】韓国の 尹錫悦ユンソンニョル 大統領は4日未明、前日夜に宣言した「非常戒厳」を解除すると表明した。
ということで、一晩寝ている間に戒厳令が発動され、起きる前には解除されていたような感じになりました。
なんなんだこれ。
この後、尹大統領の弾劾になるのかもしれません。その場合は「共に民主党(日本の立憲民主党みたいな左翼政党)」が政権を握り、道理の通らない反日暴動が繰り返されるでしょう。
ただ日本は安倍政権以降基本的に韓国を見捨てる方針であり、保守政権の間モラトリアムとなっていただけでもあります。おそらく、韓国で左翼政権が樹立された場合、日本は韓国の理不尽な要求を無視し続けるだけになると思います。
尹大統領はなぜ戒厳令を発布し、どこへ向かうのか
尹大統領は3日夜に「非常戒厳を宣布する」と発表した際、北朝鮮の脅威や「反国家勢力」から韓国を守り、自由な憲法秩序を守るためだと説明した。しかし、尹氏が韓国で40余年ぶりに戒厳令を発動する本当の理由は、外部からの脅威ではなく、本人が政治的に追い詰められているからだというのは、間もなくはっきりした。
尹錫悦大統領は与党「国民の力」出身ですが、韓国国会は野党「共に民主党」が多数派となっています。このため、大統領はレームダック化。法案はことごとく共に民主党に否決され、逆にどうでもいい法案が共に民主党から提出される有様。
日本の国会で、立憲民主党が多数派になったらどれだけ混乱するか・・・それを現実のものとして見せてくれているのが、韓国国会です。
特に予算案(減額案)、尹大統領の夫人への捜査要求などが、共に民主党から提出されています。
いっぽう、共に民主党の李在明代表は複数の疑惑で立件されており、有罪となれば10年間公民権が停止される危機にあります。
今回の戒厳令を受け、韓国国会では与野党一致し戒厳令解除を要求。これを受け戒厳令は解除されましたが、問題は尹大統領の今後です。
韓国大統領を弾劾で罷免するためには、国会議席の2/3の賛成が必要です。さすがに与党は弾劾への賛成はしないと思いますので、罷免は免れるはず。しかし事態が事態ですので、大量の造反があり罷免される可能性が無きにしも非ず、です。
万が一尹大統領が罷免された場合ですが、共に民主党の李在明代表が大統領に就くはず・・・ですが、公民権が停止されればそこで失職しますので、韓国は大統領が不在になるというとんでもない事態になります。韓国政府の隙を就いて北朝鮮が南進する危険もあります。
おまけ:ロシアのウクライナ侵略が長引いてシリア体制派がピンチ
[ベイルート/アンマン 3日 ロイター] - シリア反体制派は3日、同国中部の主要都市ハマ付近まで前進した。先週北部の要衝アレッポをほぼ制圧して以来攻勢を続けており、アサド政権の土台が揺らぎつつある。
ロシアはウクライナを侵略したものの、横綱相撲で数日で勝利できると思われたものが苦戦。再序盤でウクライナ司令部が空港地下に避難した際、その空港を占領したもののなぜかあっさり放棄したのが苦戦のはじまりでした。以来3年。
戦闘の長期化により、両軍とも激しく疲弊。アルメニアとアゼルバイジャンの紛争では、ロシアはアルメニアに支援を継続できなくなり、アルメニアが敗北。さらに、ロシアを見限ったアルメニアの西側への接近を許しました。
続いて、兵力不足で極東の兵力をウクライナに回したため、極東の国防も手薄となりました。このため、日本やアメリカへの恫喝で去勢を張っている始末。
不足する兵数を補うにしても、徴兵を行うとプーチン政権の支持率に影響するということで行えず、北朝鮮から兵士を融通してもらっていました。
この状態ではシリアのアサド政権への支援もままならず、アサド政権はアレッポを戦闘開始後わずか3日で放棄。さらに反体制派の侵攻を許しています。