
5月19日の参議院法務委員会で、立憲民主党の石橋通宏議員が難民申請中の人に対する在留手続き手数料の大幅引き上げを問題視し、政府に対し「国際法違反の可能性がある」と強く追及、実際には恫喝に近い問答を行いました。
しかし、その追及の方法や議論の進め方に「飛躍しすぎ」「印象操作だ」といった批判が広がり、委員会が一時停止するなど、議会の場が荒れ模様になっています。
石橋議員は、今回の手数料の引き上げにより、収入や財産のない「難民申請中の人たち」が、在留更新手続きを断念せざるを得ない可能性があると指摘しました。
その上で、「払えない→更新できない→非正規滞在状態に追い込まれる→迫害の恐れのある母国に帰らざるを得なくなる」という筋を示し、これが「ノン・ルフールマン(強制送還禁止)原則の違反だ」と強く主張しました。
さらに、政府がUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に対して事前照会を行い、国際法違反でないことを確認したのかを繰り返し質しました。
これに対し、政府側は、難民申請中は原則として強制送還は停止され、例外的な場合であっても迫害の恐れがある国への送還は国内法で禁じられていると説明しました。
三谷英弘法務副大臣は「特定の国に強制送還するわけではなく、国際法との矛盾はない」と整理しました。
しかし、石橋議員はこうした説明が理解できない様子で、「払えない人は非正規滞在状態に置かれる」と繰り返し強調し、政府の答弁に大声で「はぁ!?」と呆れたかのような声を発して、会場が一時混乱する場面も生じました。
この場面をめぐり、与野党やネット上では「UNHCRの名前を盾にした誇張」「実態より国際法違反を強調しすぎた」「議場を混乱させるだけの質疑だ」といった批判が相次いでいます。
難民申請中の人への負担が実際にどうなるかを議論するのであれば、法案の条文や運用の具体例を積み上げるべきで、「国際法違反ありき」で政府を詰め立てるような追及は、議論を空回りにしたと見る声が大きいです。
一方で、石橋議員の提起した「高額手数料が脆弱な在留者に深刻な影響を与えるのではないか」という問題意識自体は、特殊層の一部から支持されています。
しかし、今回の質疑は、保護の必要性を正面から丁寧に議論するよりも、「迫害国送還」「国際法違反」といった刺激的なキーワードに結びつけて政府を責め立てるような形で進んだため、結果として「危機を大きく演出した」という印象が強まってしまいました。
難民保護という感応度の高いテーマを扱うだけに、議会の姿勢が、制度改善よりも政争優先に映ったことは、今回の報道が注目される一因となっています。