
玉川徹氏がテレビ朝日の報道番組『羽鳥慎一モーニングショー』で、アメリカとイランの和平協議に参加する可能性があるジャレッド・クシュナー氏について「ユダヤ人ですよね?」「交渉にいないほうがいい」「ましてやユダヤ人ですよね?」といった発言をしたことが問題視されています。
この発言は、クシュナー氏がユダヤ人であるという宗教的・民族的属性を前提に、外交交渉への参加を「不適」と示唆しているように受け取られやすく、人種差別や反ユダヤ主義に近い発言ではないかという批判が国内外で広がりました。
この件で大きく動いたのが駐日イスラエル大使ギラッド・コーヘン氏で、大使は自身のX(旧Twitter)上で「玉川徹氏が、ジャレッド・クシュナー氏がユダヤ人であるという理由で外交交渉から排除されるべきだと示唆した懸念すべき発言」と糾弾し、テレビ朝日に正式な抗議書簡を送付したことを明らかにしました。
イスラエル側は、クシュナー氏を「中東和平プロセスに貢献してきた人物」と位置づけており、属性に基づく排除発言は「反ユダヤ主義や差別につながりかねない」という強い懸念を示しており、それが国際的な問題として扱われるに至りました。
一方で、テレビ朝日側は取材に「玉川氏の発言は、ユダヤ系アメリカ人でネタニヤフ首相に非常に近いクシュナー氏がアメリカとイランの和平協議に出席することの影響について、専門家に質問する過程のものであり、人種差別や属性に基づく差別発言とは考えていない」と説明し、大使館の指摘には「当たらない」と見解を示しています。
しかしネット上では、問題の発言が急速に拡散し、「ユダヤ人という事実を前提に交渉代表を排除する」というフレームで強い批判が集まり、ホロコースト記念日と重なるタイミングも相まって、「日本の主要メディアによる不感症が国際的に見苦しい」という声も上がり始めています。
結果として、この一件は「放送番組内の一介のコメンテーターの発言」が単なる国内の物議にとどまらず、イスラエル大使館の正式抗議という形で外交レベルにまで波及し、日本国内のメディア論理と国際的な人種差別・反ユダヤ主義の感覚のあいだのズレが露呈した事例として注目を集めています。
イスラエル側は「宗教的・民族的属性に基づく外交交渉の排除は許されない」という立場を明確にし、テレビ朝日には「然るべき重大さをもって対応を」と求めている一方で、日本側メディアは「属性を差別ではなく、当事者としての立場の問題として扱った」という構図が、いま内面的に擦れ合っている状況です。