
立憲民主党から中道革新連合に合流し、その代表選への出馬表明を行った階猛氏が、「公明党・創価学会がどうやって票を作ってきたか」という“公然の秘密”を、本人は自慢話のつもりでかなり生々しく口にしてしまいまいした。
中道改革連合の代表選を前に、階氏が取材の場などで、公明党・創価学会の選挙運動の実態をかなり具体的に語ったことが発端になっています。
その内容がネット上で「創価学会の選挙戦術を悪気なくバラしている」「これ選挙のグレーどころか黒じゃないか」と一気に拡散されました。
特に、「大きな選挙の数カ月前から支持者の住民票を移す」といった趣旨の話が「選挙の裏技」として取り上げられ、選挙制度の趣旨をねじ曲げる行為だという批判が集中しています。
報道やネット上で引用されているポイントを整理すると、おおむね次のようなイメージの話をしていると受け止められています。
「公明党は大きな選挙が近づくと、3カ月くらい前から支持者の住民票を移して票を固めていく」といった趣旨の説明をしたとされます。
これは、特定の選挙区で組織的に票を集中させるための手法だと理解されており、「ゾンビ票」「組織的な引っ越し」的イメージで語られています。
もともと創価学会・公明党については、学会員が親族友人に電話・戸別訪問をして支持を広げる“電話作戦”“F取り(フレンド票獲得)”などの手法が広く知られていましたが、今回はそこから一歩進んだ、選挙区調整としての住民票移動まで言及した点が「公然の秘密の暴露」と受け取られています。
住民票の移動自体は、実際にそこに居住している限り適法ですが、「選挙のためにだけ住所を移す」ことは、公職選挙法の趣旨に反する行為と解される余地があります。
ただし、選挙のための違法な「名義貸し投票」や、実在しない住所への移動などとは違い、現実には「違法かどうかを立証するのが難しいグレーゾーン」として扱われてきました。
そのため、これまでは当事者もメディア側も、暗黙の了解としてあまり直截には語ってこなかった部分を、現職政治家が自分の経験として口にしたことが、政治的にも法的にも「危なっかしい」と見られているのです。
公明党・創価学会は「クリーンなイメージ」と「真面目な組織票」を売りにしてきたため、「住民票を動かしてまで選挙区を操作している」というイメージが広がることは、大きなダメージになります。
また、自民党と組んでいた時代から、「どの選挙区にどれだけ票を投下するか」という調整力が公明党の最大の強みでしたが、その“具体的手法”が世間の俎上に載ると、今後は選挙管理委員会やメディアからの監視も強まりやすくなります。
中道改革連合の結党後、公明党出身者が比例で優遇されるなど、党内での扱いをめぐる不満が既に噴出している中で、この発言は「自党の武器まで無自覚に鈍らせている」と身内からも冷ややかに見られています。
階氏は中道改革連合の代表選に立候補し、「政策論争で勝負する」と語っていますが、その矢先にこうした“選挙の裏側トーク”が批判を浴びたことで、「古いタイプの選挙屋ではないか」「改革どころか既存型選挙の体現者ではないか」という印象を与えています。
衆院選で中道改革連合は大敗し、公明党出身の比例優遇で立憲系候補が割を食ったことへの怨嗟が強まっている中で、「さらに創価学会の組織選挙の実態まで晒して足を引っ張っている」という受け止めも出ています。
結果として、階氏個人にとっては代表選でのマイナス材料になり得るだけでなく、公明党・創価学会と組んだ新党全体の正当性・潔白性に改めて疑問符が付く形になっています。
今回の「ばらし騒動」は、日本の組織選挙、とりわけ宗教団体を母体とする政党が、どこまで制度のグレーゾーンを使って票を積み上げてきたのか、という問題を改めて可視化したものになっています。
同時に、政党再編で公明党と立憲民主党が合流した「中道改革連合」が、理念や政策だけでなく、選挙技術のレベルでも「古い政治の延長線上にあるのではないか」という疑念を、階氏自身の口から強化してしまった形とも言えます。
例えて言えば、長年プロ野球球団が暗黙の“サイン盗みテクニック”で優位を保っていたのに、現役選手がうっかりそれをテレビで詳しく話してしまい、ファンもリーグも「それ、本当はやっちゃだめなんじゃないの」と一斉に気付き始めた、という構図に近い状況です。