
中国軍機は事前通告もなく自衛隊機にレーダーを照射し、日本側が抗議すると、中国側は「事実と異なる」「日本が中傷している」といった形で責任転嫁とごまかしを重ねています。
これは過去のフィリピン船・ドイツ軍機へのレーザー・危険照射問題と同じパターンで、中国の常套手段がまた出た形です。
- 何が起きたのか
- 「事前通知なし」と中国のウソ①「訓練海空域は公表していた」
- ウソ②「日本が中傷」「レーダーの種類ごまかし」
- フィリピン・ドイツの事案と共通する「テンプレ」
- なぜ中国はこうしたウソをつくのか
何が起きたのか
2025年12月上旬、中国海軍の空母「遼寧」から発艦したJ-15戦闘機が、沖縄本島南東の公海上空で、領空侵犯の恐れがあるとして緊急発進してきた航空自衛隊F15に対し、レーダー照射を2回行いました。
1回目は数分、2回目は30分に及ぶ断続的照射とされ、日本政府は中国大使を呼び出して厳重抗議しています。
レーダー照射は「ロックオン」とも呼ばれ、ミサイル攻撃の前段階と受け止められるため、国際的に極めて危険な挑発行為とみなされます。
日本側は「偶発的衝突を招きかねない」として強く問題視しており、豪州の国防相も「深く憂慮する」と懸念を示しました。
「事前通知なし」と中国のウソ①「訓練海空域は公表していた」
中国側は「空母『遼寧』の訓練海域・空域は事前に公表していた」「日本機が訓練を妨害した」と主張しています。
しかし小泉防衛大臣は、航空情報(ノータム)や航行警報などの事前通報は確認できないと明言しており、中国側の主張と真っ向から食い違っています。
本当に事前に通知しているなら、具体的なノータム番号や座標を示すはずですが、今のところ中国側は抽象的な「公表していた」「通常の訓練だ」としか言っていません。
このため、日本側は「事前通告なしの危険行為」という認識を崩しておらず、国際社会も日本側の説明をふまえて懸念を共有している状況です。
ウソ②「日本が中傷」「レーダーの種類ごまかし」
中国海軍や外交部は「日本は中国を中傷している」「事実を歪曲して責任をなすりつけている」と逆ギレ気味の声明を出しています。
これは韓国によるレーダー照射問題のときと似た構図で、「やっていない」「むしろ相手が悪い」という、中華文明特有のお決まりの責任転嫁パターンです。
さらに中国側は「捜索用レーダーであり問題ない」といった趣旨の主張も行い、ロックオンではないかのような印象操作を試みています。
しかし、日本側は「危険な照射」であることを強調しており、照射時間の長さや状況から見ても、相手を威圧・牽制する意図があったと考えざるを得ません。
フィリピン・ドイツの事案と共通する「テンプレ」
中国はこれまでも、フィリピン沿岸警備隊の巡視船に軍用級レーザーを照射し、乗組員の視界を妨げて任務を妨害したと非難されています。
このときも中国外務省は「プロフェッショナルかつ抑制的に行動した」「主権を守っただけ」と主張し、フィリピン側の訴えを事実上否定しました。
また、EU作戦中のドイツ軍機に対しても、中国軍艦船が事前通告なしにレーザー照射を行ったとドイツ側が発表し、強く抗議しています。 それに対し中国外務省は「中国海軍の活動は安全に貢献している」「誤解を避けるべきだ」と、ここでも事実関係をあいまいにしながら責任回避に努めています。
なぜ中国はこうしたウソをつくのか
中国としては、軍事的既成事実を積み上げつつも「危険行為はしていない」と主張し続けることで、国際世論の非難を最小化し、相手国の対応を鈍らせたい思惑があります。
自国民向けには「日本や西側が中国を中傷している」というストーリーを流すことで、ナショナリズムを刺激し、政権への批判やクーデターを回避する効果も期待できます。
中華文明特有の、自己中心的な思考ロジック、かつ責任転嫁体質も背景にあります。
その結果、現場の緊張だけがエスカレートし、実際に何かあったとき「どちらが撃ったのか」「どちらが先に危険行為をしたのか」がますます分かりにくくなります。
日本としては、事実を粘り強く国際社会へ発信しつつ、同盟国・友好国と連携して中国側の危険行為に対する抑止力を高めていくことが不可欠です。