
「しんぶん赤旗日曜版」の報道によると、日本維新の会の藤田氏側は2017年6月から2024年11月までの約7年間にわたり、自身の公設秘書が代表を務める兵庫県内の会社に対して、ビラやポスター印刷などの名目で約2000万円を支出したとのことです。
しんぶん赤旗記者、問題行動の末に晒される
この支出の大半は、調査研究広報滞在費(旧文通費)などの公金を原資としており、さらにその会社が公設秘書に年間720万円の報酬を支払っていたことから、赤旗はこの構造を「公金が還流した構図」と創造して指摘しました。
これに対し、藤田氏は10月30日にX(旧ツイッター)で報道に強く反論しました。
藤田氏は、発注は「すべて実態のある正当な取引」であり、専門家にも相談し「適法に行っているものだ」と主張し、法的に見ても「どこを切り取っても適正だ」と潔白を訴えました。
また、不当な高額・低額設定でもなく、当該企業や秘書から寄付を受けた事実もないと述べています。
藤田氏は、赤旗の報道を「悪意のある税金還流のような恣意的な記事」であり、「悪質な印象操作」であると批判し、質問状への回答内容がほとんど記事に反映されていないと指摘しました。
法的には適正であるとしつつも、藤田氏は「構図自体が誤解や疑念を招くという指摘は真摯に受けとめたい」として、当該会社への今後の発注を取りやめる意向を示しました。
さらに、藤田氏は「しんぶん赤旗」を「公平性を重視する報道機関ではなく、共産党のプロパガンダ紙」だと認識しているとし、「共産党、赤旗の質問には一切お答えしない」と明言しました。
この一連の応酬の中で、藤田氏はXへの投稿時に、取材にあたった記者の名刺画像を公開しました。
藤田氏は、名刺の公開について、反論が公平に掲載されない場合は公表することを事前に記者に伝えており、「『公開しないでくれ』という問い合わせもいただいていないので、公開させてもらった」と主張しました。
藤田氏は、公開した名刺では「携帯電話の番号やメールアドレスのドメインは消している」ため、それ以外の住所などを含む情報は「公開情報」であるとの認識を示しました。
しかし、藤田氏はこの公開行為の理由として、メディア側の取材手法への不満も展開しました。
藤田氏は、記者が秘書の「マンションの中まで入ってきたり」、「電話しまくったり」するなど取材が過熱していると主張し、秘書の家族や子どもが怖がっている状況を説明しました。
また、「身体に危害を及ぼすと、危機感を覚えるのは普通」だと述べ、秘書の家族は関係ないため取材をやめるよう訴えました。
これに対し、「しんぶん赤旗」編集局は直ちに抗議し、11月4日、画像の削除と謝罪を求める申し入れを行いました。
赤旗側は、名刺公開が「ジャーナリズムの取材活動への重大な妨害」であり、「威嚇するもの」であると強く主張しました。
これは「記者個人への攻撃や嫌がらせを誘発する危険性」があり、報道の自由を侵害する行為に他ならないと訴えています。
特に、公開された名刺には公表していない直通電話番号が含まれていたため、編集部には「記者を出せ」という電話が複数かかっていると説明しました。
赤旗は藤田氏に対し、速やかな削除、謝罪、および今後記者個人を標的とする行為を行わないことの3点を要求し、11月10日までの書面回答がない場合は「法的な検討に入る」としています。
この藤田氏の行動に対し、日本維新の会の吉村洋文代表は11月4日、藤田氏による名刺公開を「適切な措置」であると擁護しました。
吉村氏は、藤田氏が事前に公開の可能性を伝えていた点を挙げ、「報道側も影響力があり、一定責任がある」と指摘し、また赤旗についても「共産党の機関紙」であるため、「本当に公平で公正な新聞なのか」を念頭に置くべきだと述べました。
なお、この疑惑報道を受け、日本維新の会は、これまで3親等以内の親族の会社に禁じていた公金支出の内規を改正し、今後は秘書本人や秘書が代表を務める会社への支出も禁ずる方針を示しています。藤田氏は、この内規改正作業には関わらないとしています。