
2025年10月27日、東京株式市場において日経平均株価は史上初めて5万円を突破しました。
この日の取引開始直後から買い注文が優勢となり、一時的に1000円以上値上がりし、9時26分時点では上げ幅が1012.77円となり、株価は5万312.42円まで上昇して取引が続きました。
この急騰の主な追い風となったのは、前週末の米国市場でダウ平均株価などの主要指数が最高値を更新したことと、就任から1週間が経過する高市総理の政策に対する市場の期待でした。
情報源の一つは、この週が「日経平均株価5万円相場」が走り出す週になると予測していました。
日本の株高の背景には、先週末(10月24日)に米国株の主要3指数(S&P500種指数、ナスダック総合指数、NYダウ工業株30週平均)がそろって史上最高値を更新したことがあります。
この最高値更新の主な理由として、9月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、FRBが28~29日のFOMCで利下げに踏み切る可能性が高まり長期金利が低下したこと、S&P500種指数構成企業の約85%以上が決算予想を上回り特にテクノロジー企業が市場を牽引したこと、そしてドナルド・トランプ大統領と中国の習近平主席との直接会談の可能性が高まり米中貿易戦争激化懸念が緩和されたこと、の3点が挙げられます。
従来、米国株で利益を出す法則として知られていたのは、「TACOトレード」(Trump Always Chickens Out)の上手な運用でした。
これは、トランプ大統領が強硬な貿易政策で市場を下落させた後、発言を軟化させるパターンを読み、下落時に買って反発時に利益を得るトレード法です。
しかし、現在ウォール街では、「強硬発言から市場急落、そして発言の軟化」という一連のパターンは、単にChicken Out(怖気づく)のではなく、大統領としての「存在の必要条件」だったのではないかという考えが静かに広まっています。
もしそうであれば、トランプ大統領の在任中は米国株は下がらないことになります。
この認識の変化により、「TACOトレード」は「安心買いトレード」(トランプトレード2.0)へと変わりつつあります。
この「安心買い」という認識が浸透すれば、押し目買い投資家が増えるため、下げ幅はますます小さくなると予想されています。
トランプトレード2.0同様、米国株の上値は意外に大きいかもしれないと見られています。
日本の「高市トレード」は、政策期待がトリガーとなり、財政拡張による景気刺激策が市場に織り込まれ、関連銘柄が急騰するという点で、トランプトレードと共通点を持っています。
また、「割安な日本株」に資金が流入するという確かな共通点もあります。
高市トレードはフェーズに分けられ、10月6日から首班指名・内閣成立までの政局の波乱と期待を含む時期を「高市トレード1.0」(期待の章)とし、内閣成立後から予算編成や法案提出という政策実現フェーズに入る今を「高市トレード2.0」(実現の章)と区分することができます。
以前、兜町の一部には、高市早苗首相に期待される積極財政政策が財政規律問題に押され、結局何もできないのではないかという市場リスク(不安)が存在していました。
しかし、高市首相が財政規律を飲み込んだ上での「責任ある積極財政」を打ち出し、その実現のために財務大臣に片山さつき氏を配置したことで、兜町ではこの不安が「霧が晴れた」と評価されています。
高市首相は歴代政権の中でも上位の支持率、特に若者の支持率が高く、高市トレード2.0(株高・円安)への期待が高まっています。
トランプトレード2.0と同様に、高市トレード2.0においても、押し目はますます浅くなり、上値は意外に大きいかもしれないと見られています。
そのため、深く押すのを待っていると「押し目待ちに押し目なし」となる可能性が高いです。
したがって、戦略としては「押し目買い一貫」でよいとされていますが、深押しを期待すると相場についていけなくなる可能性があります。
投資家の待機資金が旺盛なため、通常の相場では利益確定売りのタイミングとなる日経平均株価の25日移動平均線からの乖離率(+3%や+5%)でさえ、かえって押し目買いの目安となります。
例えば、10月24日現在の25日移動平均線(4万6969円)を4万7500円として計算すると、+5%乖離した4万9800円前後でもすでに買いタイミングとなっている状況です。
また、今週は時間軸でFRB、日銀、ECB(欧州中央銀行)の順で連続する金融政策決定会合が注目されます。
FRBはおそらく0.25%の利下げを決定するだろうと見られていますが、12月の会合だけが不透明であり、ジェローム・パウエルFRB議長のコメントが相場を動かす材料と予想されています。
一方、日銀は0.50%に、ECBも据え置きが見込まれており、大きな波乱がない中で高市トレード2.0によって「日経平均5万円相場が走り出す週」になると見られていました。