ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件に関する機密文書が、あらたに公開されることになりました。
概要
トランプ米政権は、1963年のケネディ大統領暗殺事件に関する機密文書を新たに公開しました。
公開日は2025年3月18日です。
公開された文書は約8万ページに上るとトランプ大統領は述べています。ただし、国立公文書館(NARA)のホームページで18日に公開された文書は1123点という報道もあります。
これらの文書は、これまで未公開だったものや、黒塗りされていた部分が解除されたものが含まれています。
公開の経緯と背景
1992年に制定された法律により、ケネディ暗殺に関する文書は25年後(2017年)に全面公開されることが義務付けられていました。
しかし、情報源の秘匿や安全保障上の理由などから、一部の公開が見送られていました。CIAなどの情報機関が公開に反対していたとされています。
トランプ大統領は、大統領就任直後の2025年1月23日に、これらの文書の全面公開を指示する大統領令に署名していました。
また、ケネディ元大統領、弟のロバート・ケネディ元司法長官、マーティン・ルーサー・キング牧師の暗殺に関連する文書の公開計画を連邦政府に求めていました。
バイデン前政権も2022年に約1万ページの文書を追加で公開しています。
文書の内容と分析
今回公開された資料には、暗殺事件が発生するまでの暗殺犯の動向に関する政府関係者の手書きのメモや、米情報機関による中南米での活動をまとめた報告書などが含まれています。
国立公文書館のホームページで全てのファイルを開くだけでも2日を要し、解析には時間がかかると報じられています。
今回は過去の発表と異なり、資料の日付や作成した機関・人物に関するメタデータ(属性情報)がまとめられていないため、分析にはさらに時間を要するとみられています。
暗殺事件の公式見解と陰謀論
ウォーレン元連邦最高裁長官率いる調査委員会は、1964年の報告書で元海兵隊員リー・ハーヴェイ・オズワルドの単独犯行だと結論付けました。
しかし、オズワルドは逮捕から2日後に警察署内で地元実業家に射殺され、動機などに不明点が多いことから、陰謀論が根強く存在します。
陰謀論では、冷戦下で敵対したキューバなどの外国政府や、CIAなどが関与したとの見方がささやかれています。ケネディ氏のおいで現政権の厚生長官を務めるロバート・ケネディ・ジュニア氏もCIAの関与を示唆する陰謀論を唱えています。
2023年の世論調査では、アメリカ成人の65%がJFK暗殺は「単独犯行ではなかった」と回答しています。
今回の公開の意義と影響
今回の文書公開は、長年待ち望まれてきたものであり、「非常に興味深いものになるだろう」とトランプ大統領は述べています。
アメリカのAP通信は、国立公文書館に保管されている500万ページを超える記録のうち、大部分は公開されているものの、全部または一部が公開されていないファイルが3000件あると推定しています。
また、FBIが2400件の新たな記録を発見したとも発表しています。
ケネディ研究者は、今回の全面公開によって暗殺事件に関するわれわれの理解が大きく変わる可能性は非常に低いと指摘しています。
JFK暗殺記録収集法によって公開された文書は計17万ページ以上にも及ぶものの、米政府の調査結果を覆すには至っていません. 今回公開された文書が暗殺事件の新たな事実の判明につながる可能性は低いと見られています。
しかし、オズワルドが裁判前に死亡したこともあり、今回の公開をもってしても、暗殺についての議論が終わるわけではないという見方もあります。
今回の文書公開は、長年にわたる謎に包まれたケネディ暗殺事件の真相解明に繋がるのか、今後の分析が注目されます。
おわび
本文中にある通り、解析には相応の時間がかかるとのことです。
そのため、現時点では内容の詳細までは把握できませんでした。