本家いなてい

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日本ブログ村の政治ブログ・民進党(旧民主党・旧維新の党)で常時1位の誉れ高いブログ(なおエントリー数は2ブログ)

国民民主党の急激な衰退と、維新の復活劇

 

2024年度の補正予算案が可決・成立しました。

成立しましたが、短期間のうちに野党の勢力がめまぐるしく変わっています。今回は、そのごく一端を・・・

 

 

 

原理原則に固執せざるを得ない国民民主党

 

www.yomiuri.co.jp

 

 国民民主党が、年収103万円を超えると所得税が課される「103万円の壁」の引き上げ幅を巡って、自民、公明両党と神経戦を繰り広げている。自公に協議の打ち切りを一方的に通告し、譲歩を迫っている。与党側は財源の懸念などから妥協には慎重な姿勢を崩していない。

 

 自公は、日本維新の会と教育無償化に関する協議を始めている。国民民主との協議が不調に終わった場合、「維新を引っ張り込めばいい」(自民ベテラン)との意見も出ている。

 

いわゆる「103万円の壁」の上限額を引き上げる法案ですが、自公国の間で「将来的に178万をめざす」という表現で合意しています。

 

「国民民主党側」から「合意文書」が公開されていますので、これは間違いないものと思います・・・

 

今回の「来年度178万に引き上げる案が出ないなら、協議打ち切りだ!」という国民民主党の一方的な通告は、合意を踏みにじる行為です。

 

国民民主党がこのような行為に及んだ理由は先の衆院選での戦略によるためで、それゆえに党勢は今後衰退していくものと思います。

 

先の衆院選で、国民民主党は「手取りを増やす」というキャッチーなアピールで議席数を伸ばし、支持率上は一気に野党第一党にまで上り詰めました。

 

支持者が一気に増えたまでは良かったのですが、彼らは原理原則的に国民民主党の公約の実現を要求しています。上限額をわずかにでも下げれば、この支持者たちはたちまち離反してしまいます。

 

このため、通常なら与野党間の協議で上限額を変えて合意する、といった調整が一切できなくなっているようです。

 

そして財源を与党に丸投げしている以上、上限額178万円を実現しうる財源が提示できるはずもなく、このまま決裂してしまう可能性すらあります。

 

ここで国民民主党と入れ替わり、影響力をしてきそうなのが維新です。

 

国民民主に立ち位置を奪われ、吉村・前原体制の誕生で無責任野党に落ちぶれていくのかと思いましたが、国民民主が協議不全に陥った隙を突いて与党に教育無償化を飲ませ、一気にキャスティングボートを国民民主から奪い返しました。議席数の上では、どちらかが与党につけば法案が通るので、国民民主の突き付けた無理を与党は必ずしも飲む必要はないのです。

 

国民民主党は、かなり舵取りの難しい状態になっているのだと思います。

 

1つは先に述べた通り、支持者が急増し、かつ原理主義者が集まっている点です。協議などにより妥協をすると、彼らは一斉に離反しかねません。従って、国民民主党は政策協議がまともに行えません。

 

もう1つは、玉木雄一郎代表が自らの不祥事のせいで役職停止に追い込まれている点です。

 

今回の「103万円の壁」協議では、自公国の税制調査会長が政策協議を行っています。国民民主党の税制調査会長は、古川元久氏です。

 

問題は、この古川氏が「代表代行」となっており、現時点で代表相当の権限を持っていることにあります。税制調査会長間の話でありながら、国民民主党に限っては党首(代行)の判断にもなってしまうということです。

 

税制調査会長間で揉めた場合に、党首クラスが出てきて話をつける、ということが、今回はできなくなっています。

 

この隙を縫って維新が入り込んだのは見事で、国民民主がこの後巻き返すことができるのか?が今後の焦点です。少なくとも、玉木雄一郎の復職まで引っ張らないと、国民民主は衰退する一方だと思うのですが・・・

 

 

 

おまけ:たまきん、過去に真逆のこと言ってた

 

 

ほとんどの政治家が増やすことばかり言うからこそ、私は財政規律の必要性を嫌われてでも言い続けたい。世の中にタダのものはない。

玉木雄一郎(国民民主党) (@tamakiyuichiro) 2013年8月29日

 

ええ・・・???

財源を与党に丸投げしたのと同じ人物とは思えない・・