東京都の監査委員が一般社団法人「Colabo」に対する監査請求を受理し、経費の明確化と最悪の場合補助金の返還請求を東京都に求めた、ということで、話題が沸騰しています。
そもそも一般社団法人は財務諸表を作る必要があるのか?
この件では Colabo から出てきた数字が同じ費目でも資料毎に異なっていたり、そもそも資料というか単なるWEB情報だったり Excel だったりだったのでびっくりしたのですが、
わたくし何ぶん社団法人なるもので働いた経験がありませんので、どのような財務処理を行う必要があるのかそもそも知らなかったのです。私企業と同程度の書類は必要なんじゃないかなーと漠然とは思っていたのですけれども。
そこで、一般社団法人はどんな財務書類を作る必要があるのか?調べてみました!
調べてみましたが、わかりませんでした!
でも、なんか作らなきゃまずそうですよね!
ご視聴、ありg
すんません。
まず、既に何度か書いている通り、「Colabo」は一般社団法人です。
これは、Colabo の公式の最下段に明記されています。
一般社団法人Colabo
それでは「一般社団法人」というのは何かというと、私企業とは異なり、営利目的ではない団体です。営利目的ではありませんが、目的とないだけであり、実際には利益が出る場合もあります。
一般社団法人が作るべき財務書類
Colabo は一般社団法人ですから、その運営は「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に従う必要がありそうです。具体的には、第百二十三条に記載されています。
一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。
2 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表及び損益計算書をいう。以下この款において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。
4 一般社団法人は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。
つまり一般社団法人も、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)は作成しなければならなず、更にその附属明細書(文字通り明細書)も必要。
これらは十年間の保管義務があります。Colabo は 2013/3/1 設立(Wikipedia情報)ですので、設立時点からすべてのB/S・P/L・明細書類が存在しなければならないことになります。
今回の監査請求結果では「過去の事業年度についても精査を行うとともに、返還請求等の適切な措置を講じること。」となっていますが、この「過去」とは具体的には保管義務となる十年分、という意味になるかと思います。うへえ。
俺が担当者だったら夜逃げするわこれ(笑)
なぜ今まで問題にならなかったのか?
では何故今まで何ら問題にならなかったのかですが、東京都がまともに監査しなかったということももちろんあるのですが、Colabo 側には会計監査人を設置する義務が無いためでもあります。
同法第六十二条によると、「大規模一般社団法人は、会計監査人を置かなければならない。」とあります。
大規模一般社団法人は、会計監査人を置かなければならない。
これは逆に読み替えると、大規模でない一般社団法人は、必ずしも会計監査人を設置しなくても構わない、という意味にもなります。
それでは「大規模」とは何を基準に判断するのかというと負債規模で、これは同法の冒頭第二条に記載されています。
二 大規模一般社団法人 最終事業年度(各事業年度に係る第百二十三条第二項に規定する計算書類につき第百二十六条第二項の承認(第百二十七条前段に規定する場合にあっては、第百二十四条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。)に係る貸借対照表(第百二十七条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時社員総会に報告された貸借対照表をいい、一般社団法人の成立後最初の定時社員総会までの間においては、第百二十三条第一項の貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である一般社団法人をいう。
三 大規模一般財団法人 最終事業年度(各事業年度に係る第百九十九条において準用する第百二十三条第二項に規定する計算書類につき第百九十九条において準用する第百二十六条第二項の承認(第百九十九条において準用する第百二十七条前段に規定する場合にあっては、第百九十九条において準用する第百二十四条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。)に係る貸借対照表(第百九十九条において準用する第百二十七条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時評議員会に報告された貸借対照表をいい、一般財団法人の成立後最初の定時評議員会までの間においては、第百九十九条において準用する第百二十三条第一項の貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である一般財団法人をいう。
つまり負債(B/Sの右側上部)合計が200億円以上の場合、大規模社団法人に該当するとのことです。
ただし社団法人.jpによると、負債ではなく資産(B/Sの左側)合計が200億円以上の場合を指すとなっていました。どちらが正しいんだろうか?まあ、純資産(資本)を含むか含まないかの違いですが、今回の件に関しては、ここを突き詰める意味はあんまありません。
2022/3/31の Colabo の「貸借対照表」を信じるならば、資産合計は3.6億円(¥367,290,926)、負債合計のほうも0.1億円(¥12,869,261)で、200億円には全然到達していないのです。
会計監査人を設置する義務が無いため、東京都がきちんと監査しない限り、問題は発覚しないことになってしまいます。
で、これ読んでる人は絶対に同じこと考えるんじゃないかと思うんですが、そもそもなんで大規模一般社団法人の規模の基準値は資産(負債)200億円なんでしょうね?社団法人ってそんなにでかくなるもんなんですかね?このへん、ど素人だからわからんのですけれども。
01/08追記:税理士氏、逃げる(気持ちはわかる)
いや何つーか
昨日、こう書いたじゃないですか。
俺が担当者だったら夜逃げするわこれ(笑)
そしたら、昨日引用で出したB/S(貸借対照表)を作成した税理士の人が本当に逃げ出したみたいです。
matsuda0726 @matsuda0726
@hinabe_ch 作成者の方、過去のリツイートの方を見ると政治にも興味がおありだったみたいだがアカウント消したんだね。 pic.twitter.com/B7my6FIBZx
colaboの貸借対照表作成した矢崎芽生(@mei_tona)氏、アカウント削除してるな。
2022-11-29 17:38:09
仁藤夢乃のColabo「不正してない! わかった、5年分の貸借対照表みせるから!」 ⇒ ファイルが2022年11月作成更新 ⇒ は? ⇒ 作成した会計士がアカウント削除して逃亡 おもしろすぎるでしょ
2022-11-29 18:27:28
いやあ、まあ税理士だったら自分でこさえてる最中に気がつきますしね・・・。
でも、今回垢消して逃げたことは別に恥ることじゃあない。
わいだって同じ立場だったら逃げる。