経済関係の話ではないのですが、韓国が年始からアクセル全開で飛ばしていますのでご紹介します。いつもの「合意したけど守らない」案件と「そんなことは言ってない」案件です。
- 徴用工問題は、「現金化さえ何とかできれば解決」 ←???
- そもそも韓国内を説得できていない
- 米国と「事実上の核共有」を競技中???
- 米バイデン大統領「そんな事は言ってない」
- 1/3追記:要点だけ取り上げられたから異なる概念になった ←???
- 1/4追記:韓国政府、いつもの通り言い訳開始
- 1/13追記:韓国政府、しつこく「核保有」「核シェア」に言及するも米国から否定される
徴用工問題は、「現金化さえ何とかできれば解決」 ←???
韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は、韓国の有力紙、朝鮮日報のインタビューで、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題での日韓双方の議論について「肯定的にみている」と述べ、前向きに進められているという認識を示しました。
インタビューで、ユン・ソンニョル大統領は「徴用」をめぐる問題などで「日本は依然として強硬な立場だ」と指摘する一方「日本国内の雰囲気は『徴用』に関する日本企業の資産の『現金化』さえ解決できれば、両国の問題を解決できると考えているようだ」と述べました。
韓国の尹錫悦大統領ですが、年始の1/2から韓国朝鮮日報インタビューで、「韓国が勝手に騒いでいる」徴用工問題に言及。
日本側の態度について、「日本国内の雰囲気は『徴用』に関する日本企業の資産の『現金化』さえ解決できれば、両国の問題を解決できると考えているようだ」と適当なお気持ちを表明しました。
しかし徴用工問題を含む過去の一切は「1965年の日韓合意」ですべて解決済であり、しかも合意締結後に韓国が一方的に反故にしたため2015年に米国を仲介役とし、あらためて合意を締結した経緯があります。
韓国の一連の言動はすべて「国際法違反」であり、日本は「国際法違反の状態を解消せよ」と寸分違わず申し付けている状態です。企業資産の現金化を解消したからどうなるものではありません。韓国が国際法違反を解消しないかぎり、この問題は解決しません。問題が解決しない限り、日本が韓国を何らかの形で助けることは一切ありません。
そもそも韓国内を説得できていない
現金化に至れば日韓関係のさらなる悪化は避けられず、韓国側は、韓国政府と企業の拠出金で設立された財団が両国の企業から寄付を集め、原告への賠償を肩代わりする案を柱に日本側と協議を続けている。ただ、原告の一部や支援団体は日本企業の賠償や謝罪を求めており、尹政権の方針に強く反発している。
この現金化云々の話ですが、日本に対してどうこう言う前に、そもそも韓国内で調整できておらず、合意を取り付けていません。
これまでの韓国の常套手段ですが、韓国内で何ら合意を形成しないまま都合の良い主張を相手に妥協させて合意を締結し、その後韓国内の反発を持ち出し合意を平気で反故にしています。
今回も、その手口を使おうという魂胆が悲しいほど透けて見えます。
韓国政府は、この問題をわずかでも解決することができるのでしょうか?完全に解決しない限り、デフォルトする韓国経済を助けてくれる手は何一つないのです。
米国と「事実上の核共有」を競技中???
韓国の尹錫悦大統領は2日付の韓国紙・朝鮮日報に掲載されたインタビューで、北朝鮮の核開発進展を受け、米国の「核の傘」に関し、事実上の「核共有」のレベルで運用する方策を米国と協議中だと明らかにした。
尹氏は「韓米が共有する情報を土台に、核戦力の運用に関する計画はもちろん、演習と訓練・作戦を共に行うという概念に発展させれば、事実上、核共有に劣らない実効的な方法になる」と説明。こうした案に米国も前向きだと語った。
徴用工問題と同時に、尹錫悦大統領は「米国との事実上の各共有」に言及しました。
但しこの記事はソウル時事が先走った面があって、厳密には引用した通り「事実上」「核共有に劣らない方法」という、韓国にはよくある言葉遊び的なものです。
問題は、最後に「米国も前向き」と付け足している点です。
米バイデン大統領「そんな事は言ってない」
同日、ホワイトハウスの共同取材記者団によると、休暇を終えてワシントンDCのホワイトハウスに復帰したバイデン大統領は、ヘリコプターから降りてホワイトハウスに向かう途中、記者団から「今、韓国と共同核演習を議論しているのか」と質問され、「いいえ(No)」と答えた。
米国が韓国と核を共有する、ないしそれに準ずる何らかの交渉が行われているとなれば、中国ないし北朝鮮、ロシアへの核攻撃をふくめた戦略変更を伴うことになります。
これらの国々への刺激も強烈なものとなり、下手すれば例えば中国による台湾侵攻のトリガーにもなり得ます。米国が戦略的に行うならともかく、従属側である韓国政府が年末年始にマスコミに向けて独断で公表できるような情報ではありません。
尹錫悦大統領からちょっと信じがたい情報が出たため、マスコミは当然バイデン大統領に確認しましたが、バイデン大統領はひとこと「NO」と回答しただけでした。
韓国のことですから、そこから出てくる情報の信頼性は常に疑ってかかる必要があります。とはいえ、年末年始に大きな問題を2つ同時に投げてくるとは・・・
韓国のパターンだと、どちらの問題も前言などなかったかのように発言を二転三転していくと思いますが、今回は何日で崩壊するでしょうか。(といっても、核共有発言は1日で破綻していますが)
1/3追記:要点だけ取り上げられたから異なる概念になった ←???
続いて「今日のバイデン大統領の発言は、ロイターの記者が要点だけを取り上げて『核戦争演習を(議論)しているのか』と尋ねたため、当然『No』と答えるしかない」とし「Joint nuclear exercise(核戦争演習)は核保有国の間で可能な用語だ」と説明した。
ああ、こんなに早くおもしろ展開になるだなんて・・・
韓国の尹錫悦大統領が「米国と事実上の核共有の話をしている」と発言した直後に米バイデン大統領から「そんなことは言っていない」と全否定された件ですが、
なんか韓国政府が、「質問した記者が要点だけ取り上げたから異なる概念になった」とか訳わからない言い訳はじめました。
ええ・・・これどうすんのよ。
1/4追記:韓国政府、いつもの通り言い訳開始
バイデン大統領の答弁が伝えられると、大統領室は鎮火に乗り出した。
大統領室と国防部はまた、尹大統領の発言が昨年11月の第54回韓米安保協議会(SCM)で合意した内容に基づいたものだと強調した。当時、韓米国防長官は、高度化する北朝鮮の核・ミサイル脅威を抑止し対応するための同盟能力と情報共有、協議手続き、共同企画および実行(joint planning and execution)などをさらに強化していくことで合意した。しかし、ここに尹大統領が言及した「共同練習」は含まれていない。
今回また発生した「そんなことは言ってない」案件ですが、11月の米韓安保協議会での合意内容を誇大解釈しまくった末の伝言ゲームのようです。
「北朝鮮が核開発などで驚異だから、連携を強化しよう」という一般的な内容を、韓国の尹錫悦大統領が「もっと強化したら、事実上核共有に劣らない実効的な方法になるんじゃね?」と訳のわからない拡大解釈を行って朝鮮日報に対して発言。
朝鮮日報は「事実上の核共有ですって!!」と、センセーショナルに報じ、これをうけたどこかのメディアが米バイデン大統領に確認して「NO!」と一言で斬って捨てられたという。
韓国政府は少なくともここで軌道修正を行わなければならないはずですが、「マスコミの質問の仕方がおかしかったから、バイデン大統領はNOと答えざるを得なかったのだ」と更に訳のわからない言いがかりを、マスコミにつけていたりします。
軍出身のキム・ドンヨプ北韓大学院大学教授は、本紙との電話インタビューで「共同実行は拡大抑止のためのものだが、尹大統領は共同演習という単語を使って(韓国が)核を持って直接訓練するかのように誤解させた」と述べた。尹大統領が韓米当局間の合意より内容を膨らませたという解釈を生む可能性があるという指摘だ。
延世大学統一研究院のキム・ジョンデ客員教授も、「共同実行は有事の際に行うもので、既存の拡大抑止の範囲内であり、共同練習は平時に行うもの」だと述べた。核兵器の独占的使用権を強調する米国としては、尹大統領の発言に拒否感を感じうると解釈できる部分だ。
さすがに韓国の軍出身教授などは実態を見破っており、韓国国内の保守層に対してリップサービスを行ったつもりが失敗し、むしろ米韓関係を悪化させかねないという懸念を伝えています。
これは単純に、尹錫悦大統領がその支持基盤である韓国保守層の支持を失いうることを示しています。
1/13追記:韓国政府、しつこく「核保有」「核シェア」に言及するも米国から否定される
韓国の尹錫悦大統領が1/11に「外交部・国防部業務報告」という会議に出席し、これに関するプレリリースを出しました。この中で、尹錫悦大統領は既に否定されている核兵器について言及しています。
該当箇所は以下の通りですが、前者は米国各戦力の共有、後者は韓国自身が核武装するという意味に他なりません。
それは、韓国と合衆国による強力な拡張抑制と合衆国の核資産の運用における共同企画と共同実行、つまり核資産運用における緊密な協力です。
もちろん、今より問題が深刻になれば、韓国に戦術的核を配置するかどうか、私たち自身が独自の核を保有することもできます。
しかし、当然ではありまますが、これらはすべて米国から即座に否定されています。米国は朝鮮半島の非核化を目指しており、それに逆行するような政策が認められるわけがありません。
尹錫悦プレリリースの翌1/12、米国のカービー報道官は「バイデン米大統領は朝鮮半島の完全な非核化を約束し、これに変わりはない」と発言、ライダー報道官も米国の政策は依然として朝鮮半島の完全な非核化に焦点が置かれている」と言及しました。
一体、韓国はいつになったら他人と調整するということを覚えるのでしょうか?