いかがでしょうか?この絵具で適当に書いたような扉絵・・・
例によって、Stable Diffusion 2.1 Demo に適当にバランスシートを書いてもらったらこんなんになりました。
こんにちは。
- 防衛予算はGDP比で2%を目指します
- 岸田文雄首相は、とりあえず将来的に法人税増税を見込む
- 萩生田光一政調会長(安倍派)は国債償還費の流用案
- 防衛予算は増やせ、だが増税はするな。ならどうしろと・・・?
- 結論:個人的には国債発行。最悪、防衛しないというのも論理的にはあり。あり得ないのは・・・
防衛予算はGDP比で2%を目指します
政府・与党はNATO諸国と同程度のGDP比約2%の水準まで、5年以内に引き上げようとしていることは以前から伝わっていました。
これまで日本は防衛予算額をGDPの1%枠に抑えていましたが、中国の急激な軍拡と北朝鮮による度重なる弾道弾発射、なによりも2022年2月末にはじまった露によるウクライナ侵攻を受け、NATOと同様の2%枠まで拡大する方針がほぼ決まっています。
2022年の日本のGDPは名目564兆円(実質556兆円)程度となる見通しですので、概ね12兆円強/年程度の規模になるものと思います。
現行の中期防衛力整備計画の総額27.47兆円から、5割以上増額する見込みです。
先程引用した記事でも「中期計画で27.47兆円から5割以上増額」となっており、中期計画がだいたい5年程度の予算を見込んでいるため5割増しだとおおよそ14兆円/年、だいたいこの程度が目標なのかなと。
日本の2022年度の国家予算(一般会計)は補正前でだいたい107兆円なので、予算比でいえば概ね10%ぐらいです。なんでみんなGDP比で語っているのかはよくわかりませんが、これぐらいの規模です。
いずれにせよ、年12~14兆円程度を確保する必要があるということです(うち半分程度は、既に毎年確保している)。
岸田文雄首相は、とりあえず将来的に法人税増税を見込む
そして、必要な財源のおよそ4分の3は歳出改革などで確保する道筋をつけたことを強調したうえで不足する4分の1については、「未来の世代に責任を果たすために協力をいただきたい」と述べ、増税の検討に理解を求めました。
必要となる財源ですが、とりあえず岸田文雄首相は再出改革、すなわち既存の政策の何かしらを犠牲にして確保、不足分は増税で賄うとしています。この増税というのは、法人税つまり企業への増税が有力視されています。
この財源確保に賛否は当然出てきますが、財源は必ず必要となりますので、一つの案として今後検討する材料となるでしょう。
萩生田光一政調会長(安倍派)は国債償還費の流用案
財源は、歳出改革のほか、場合によっては、国債償還の60年ルールを見直して、償還費をまわすことも検討に値する。
萩生田政調会長から出た案は、国債の償還費を転用するというもの。これ記事ちゃんと読んでいなかったのですが、とりあえず国債を発行するのではなく、既に発行済の国債の償還費の償還期限を延長して、当て込んでいた財源をとりあえず防衛予算に組み込むって事ですかね?
だとすると、一方的に国債の償還期限を変更するのはどうなんだって話になってしまいますが、まずは増加する費用をまかなう1つの案としてそういうのもあるのか、程度でいいと思います。
防衛予算は増やせ、だが増税はするな。ならどうしろと・・・?
高市経済安全保障担当大臣は、10日夕方、岸田総理大臣の記者会見に先立って、防衛費増額の財源についてみずからのツイッターに投稿しました。
「企業が賃上げや投資をしたらお金が回り、結果的に税収も増える。再来年以降の防衛費財源なら景況を見ながらじっくり考える時間はある。賃上げマインドを冷やす発言をこのタイミングで発信された岸田総理大臣の真意が理解できない」
高市早苗経済安保相は増税案について「理解できない」と言っているのですが、財源について具体的なことは語っていません。この人は総裁選の時も突如MMTを持ち出すなど経済面にはかなり不安のある人なのですが、漠然と「税収が増えるからそれで賄えるやろ。未来のことはそんとき考えよう」じゃ困るんです。
例えば、まずは年毎に国債を発行して予算を確保し、経済成長して税収が増加したら順次防衛予算に充当し、将来的には防衛用の国債発行額を0にしますよ、というならわかるんです。これなら、思い通りに税収が増えない場合でもとりあえず国債発行して税収増までの時間を確保できますので。でもそんな事は言ってないですよね。
自民党の佐藤正久元外務副大臣は11日のフジテレビ番組で、防衛費増額に伴う財源確保策を巡り、岸田文雄首相が打ち出した増税方針に苦言を呈した。「防衛力の中身を説明する前に増税というのは順番が違う」と述べた。
この辺は佐藤正久議員も同じで、防衛予算を増やす以上何かしらの財源が必要なのですから、増税に反対するのであれば相当する財源を提示して欲しいところです。これ言うとあれですが、2009年の民主党のマニフェストを見ている気分になりました。
結論:個人的には国債発行。最悪、防衛しないというのも論理的にはあり。あり得ないのは・・・
個人的な意見ですが、防衛予算の確保は国債発行で賄うべきだと思います。誤解を恐れずに例えるなら、増税は現金払い、国債はローンです。時間軸で見てその時々の「現在」を生きている人のみに恩恵があるなら増税で財源を確保すべきで、時間軸で将来世代にわたり恩恵を受けるなら国債にすべきだという考えです。
国防は将来世代にわたり影響を与えます。いま増額して国を守らなければ、子孫の世代ではそもそも国がなくなっているかもしれない。それならまだマシで、子孫なんて生まれることもできないかもしれない。なので、国債を発行して将来世代にまで広く負担を求めることは、理にかなっています。
とはいえ、岸田首相の増税案、萩生田政調会長の国債償還期限の変更とも、財源を確保するという意味では理解できます。国防予算を増額する以上、何がしかの財源は絶対必要です。
逆に、「防衛なんか強化しないで、話し合いでなんとかするんだ」というのであれば、財源は人件費+@程度で済むでしょう。話し合いで何とかなるとはとても思えませんが、こういう主張の人が財源論を無視するのはそれはまあそのとおりだなと。
同じく、「防衛自体やらないんだ、攻め込まれたら無抵抗で煮て食おうが焼いて食おうが好きにして貰うんだ」というのであれば、とても賛同できないとはいえ、そういう人たちが財源論を否定するのはまあ当然かなと。
「防衛予算は必要です。増額します。でも増税なんてとんでもない!」という人が一番無責任で、とにかく何かしら財源案を出すか、最悪でも「検討中」程度は言ってほしいのです。選挙対策の都合で言えないのは分かりますが・・・