本家いなてい

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日本ブログ村の政治ブログ・民進党(旧民主党・旧維新の党)で常時1位の誉れ高いブログ(なおエントリー数は2ブログ)

エクストリーム経済大国・韓国11・格付けを「交渉」で変えようとする韓国

 

本題に入る前に、まず10/29に韓国ソウル・梨泰院で発生した群衆圧死事故の犠牲者の方々のご冥福をお祈りします。

 

この事故について、手薄だった警備体制がやり玉に上がっています。事前に危険性が報告されていたにも関わらず強化されなかった点、事故発生から本部通報までに時間がかかったことなどが、非難の理由です。

 

 

(中国新聞:韓国、雑踏警備の機動隊20人)

www.chugoku-np.co.jp

 

とはいえ韓国では政治的な意図を持ったデモが頻繁に行われており、警察機動隊のリソースはそちらに割かれています。一触即発の事態が懸念される政治デモ、特に今回の事件の一週間前には右翼左翼双方がデモを行う危険な状態だったこともあり、民間で特に自然発生するイベントへの対応は手薄とならざるを得なかったこともあると思います。

 


(朝鮮日報:梨泰院雑踏事故:事故当日都心で集会・デモ15件…ソウルの機動隊は総員でデモ対応していた)

 

www.chosunonline.com

 

それでは事故当日の10/29はどうだったかというと、ソウル中心部で大規模集会4件を含む計15件のデモが行われており、その警備にソウル警察から機動隊3540名が投入されていました。しかしこれでは足りず、更に近隣から480名を追加投入していました。

 

集団が暴動を起こしかねないリスクを考えれば、15件のデモへの対応を優先するのは当然であり、しかも不足し救援を受けていたことから、人がいかに集まるとはいえ銃犯罪が発生するリスクが(デモとくらべて)比較的低いであろうハロウィン警護が手薄になったのはやむなき面もあると思います。これに関しては、韓国政府や韓国警察を非難する前に、何かというとデモばかり行っている韓国人全員が起こした面を指摘したいところです。


なお日本では渋谷でハロウィンの群衆が発生しますが、いわゆるDJポリスの登場もあって雑踏警備に成功しています。これは元々後方に長じていた巡査が明治神宮での初詣の警備を行い、更に渋谷でワールドカップ出場決定時に発生した群衆を警備するなどの素地があってのものです。

 

 

(マネーワン:韓国政府が信用格付け会社『S&P』と交渉開始!ここで格付けが落ちると最悪)

 

money1.jp

 

ようやく本題です。

 

韓国の特異な点のひとつに、「自国の格付けを上げてもらうために、格付け会社と交渉する」というものがあります。「格付け」というのは、債権やその発行母体の債務支払い能力・信用力をランク付けしたもので、「格付け会社」というのはそれを評価し実際にランク付けする会社のことです。有名なところでは、S&Pなどがあります。

 

誤解を恐れずまとめると、格付けというのは国や組織の信用のことです。格付け会社は、その信用がどれぐらいのものかを出してくれる会社です。格付け会社から高い格付けを得られた企業は(たぶん)業績が良く借りたカネをちゃんと返してくれる企業なので、この企業の債権を買っても安心ですよ!という意味になります。逆に格付けが低いところは、潰れるかも知れないしカネを返してくれないかも知れない可能性がありますよ!ということになります。

 

一般的に、信用が高い企業の債権ほど利息が低くなり、信用が低いほど利息が高くなります。信用が高い企業の債権ならとりあえず後できちんとカネが帰ってくるので、銀行の利息よりも利回りが良ければ買う価値があります。逆に信用が低いところの債権を買っても踏み倒されるリスクがあるので、それを覚悟で買うとなるとそれ相応の利回りがなければ誰も買ってくれません。

 

話がそれました。さて韓国ですが、この格付会社に対して「格付けを高くしてくれ」と交渉するのが恒例行事となっています。格付けを低く設定されると韓国企業がおカネを借りづらくなり、企業活動が滞ってしまうためです。とはいえ、格付けを交渉で変更してもらうというのは、他の国ではちょっと考えられません。

 

この「格付け交渉」は韓国ウォッチャーの間ではよく知られておりネタにもされているのですが、これを行っているため、韓国は通貨安・株安・債権安のいわゆる「トリプル安」になろうとも、いかにデフォルトの危機が騒がれようとも、なぜか格付け機関による格付けランクが非常に高いという、一見すると不思議な状態になっています。

 

言うまでもなく、信用すべきは格付けよりも実態のほうです。