北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が、日本上空を通過する弾道弾を発射しました。
北朝鮮が弾道ミサイル
政府は4日、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと発表した。
北朝鮮は今年に入ってから弾道弾の発射を繰り返してきましたが、特に日米(+おまけ韓国)軍事演習に反発し、その頻度を上げてきています。
これに伴い、政府はJアラートを発出。着水するまでの間は地上への着弾の可能性も排除できず、北海道・青森県および伊豆諸島・小笠原諸島の各地に避難警報などが出ていました。
また2022/10/04 8:30現在、北海道および東北各地の鉄道が運転を見合わせるなど、航空機や船舶のみならず影響が出ています。
北朝鮮はアメリカを攻撃できるのか?
話は変わって、北朝鮮が核弾頭を含む弾道弾を開発する理由として、「米国本土を狙っている」とする論調があります。それは可能なのでしょうか?
ここで、むかーし取り上げたことのある「どこでも方位図法」を見てみましょう。
この地図は「正積方位図法」と「正距方位図法」の地図を見ることができます。
地図というものは丸い地球を無理やり平面に表現しているので、何かしら無理が生じてきます。私達が普段見慣れているメルカトル図法では、特に赤道から遠い地域ほど面積が極端に肥大化して表現されるというのはよく知られているとおもいます。
正距方位図法は、中心点から世界各地に対する距離と方位が正しく表現できます。距離が遠くなる(=地図の外周に近くなる)ほど地形が歪みますが、弾道弾の飛ぶ方向や距離を調べるためにはこの地図だと都合が良いのです。
今回弾道弾が飛翔した方角は、北朝鮮から北海道ないし青森県上空なので、概ねこの赤い線に近い方向です。
これを見るとわかりますが、この方角では距離を伸ばしたところで米国本土へは向かいません。せいぜい米国本土とハワイ州の中間あたりです。もし米国本土を狙おうとした場合、もう少し北側に向けて飛ばす必要があります。
ところが少しでも北に向けた場合、ロシアが実効支配を続ける千島列島の上空を通過させてようやくカリフォルニア半島を掠めることができるかな?というコースになります。米国本土へ確実に着弾させる場合、少なくともカムチャッカ半島上空を通過させなければなりません。
ロシア領空を通過させた場合、発射に失敗してロシア領内に着弾させてしまうリスクがあります。なので、まず騒がれているほど米国本土が狙われるような可能性はないんじゃないかなと個人的には考えています。
勿論、日本本土、および在日米軍基地がターゲットとなる可能性はあります。グアム基地や在韓米軍も同様。なので、日本としては防空体制を強化する必要は当然あります。
万が一の場合の避難施設マップ
内閣官房から、万一の場合の避難施設のマップが公開されていましたので、リンクを貼っておきます。