米国のペロシ下院議長が東アジア諸国を歴訪中です。
- ペロシ米下院議長、アジア歴訪(台湾含む?)
- 中国政府、うっかり米国&ペロシ氏を恫喝してしまう
- ペロシ氏いよいよ訪台
- 中国はどうすればよかったのか?
- 追記:中国の子供じみた言動で、日中外相会談が急遽中止に
ペロシ米下院議長、アジア歴訪(台湾含む?)
香港(CNN) 米国のナンシー・ペロシ下院議長と同行議員団は1日、アジア歴訪の最初の目的地であるシンガポールを訪問する。ペロシ氏によるアジア歴訪は、同氏が台湾を訪問するのかどうかをめぐり国際的に注目を集めている。
米国のペロシ下院議長が8/1からアジア各国への歴訪をはじめました。
ペロシ氏は特に人権問題で中華人民共和国共産党に対し強硬派と見られている上、訪問先に台湾が含まれるのではないかということで7月下旬から話題にあがっていました。
中国政府、うっかり米国&ペロシ氏を恫喝してしまう
アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問を巡り、中国政府は「訪問すれば極めて深刻な結果をもたらす」と改めて強く牽制(けんせい)しました。 アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問を巡り、中国政府は「訪問すれば極めて深刻な結果をもたらす」と改めて強く牽制(けんせい)しました。
中国共産党政権ですが、初動の段階で対応に失敗しています。当初米国内でも訪台による影響を懸念する声もあり、バイデン大統領も米軍の意見を借用する形でやや否定的なコメントを残していました。
しかし中国政府が軍事的報復を予感させる恫喝を行ってしまったため、ペロシ氏の訪台は確定しました。もし台湾に訪問しなかった場合、軍事的恫喝に屈したことになってしまうためです。この時点でまず、中国は致命的な失敗をしてしまいました。
ペロシ氏いよいよ訪台
米連邦議会のペロシ下院議長が台湾を訪問したことについて、台湾の在日大使館に相当する台北駐日経済文化代表処の謝長廷(シエチャンティン)代表は3日、「台湾の民主主義を肯定するいい友なので歓迎する。世界に対して台湾への支援を呼びかけていて、感謝している」と語った。
8/2の夕方から夜間にかけ、ペロシ氏はボルネオ・スラウェシ上空からフィリピン東部を経由するルート、つまり中国共産党の防空識別圏を回避するルートを経由し台湾入りを果たしました。
ここで夜間にも限らず大変な歓迎を受けていたのですが、その一方で中国軍機が台湾海峡に向かい出撃するなど中国の挑発が激化しました(挑発自体は数日前から増加していた)。
軍が保有する2隻の空母「遼寧」と「山東」が、それぞれ停泊していた軍港を出航したと複数の台湾メディアが報じました。
ここで中国は、更に致命的な失態を犯しています。
米国側も当然無防備であるはずもなく、有事に備えて空母ドナルド・レーガンを派遣しています。
但し中国は即時出港できる空母がニ隻しかなく、そのニ隻を同時に出港させてしまいました。実際に交戦状態となった場合、米軍は乗員と空母をローテーションして休息の確保やメンテを行えますが、中国軍は停戦まで疲労を溜め続けることになります。
この時点で、中国は脅し以上の意思を持っていない、あるいは実際の戦闘を考慮せずにおっとり刀で対応していることがばれてしまいました。
中国の空母といえば一応福建というものが進水はしているのですが、どうも実践投入できるようになるまで数年かかること(理由は不明だが船員の訓練のためか?)、通常動力なのに電磁カタパルトを実装したためいつ電源が落ちるか分からない等の問題があり、戦力として計算できる状態ではなさそうです。
中国はどうすればよかったのか?
結局、ペロシ氏は台湾で演説、蔡英文総統との会談を通じて米台関係の強化を確認し、次の訪問先の韓国へ向かっていきました。
中国政府は威勢のいい恫喝を繰り返していましたが、米国に対して真正面から戦火を切ることは最後までできませんでした。空母の艦数や性能、乗員の練度などの理由で実際に米国と対峙するのは厳しい状況ではありましたが、それよりも上層部が交戦を前提とした采配をできていなかった。それが素人目にまるわかりになってしまった。
それでは中国はどうするべきだったのかというと、ペロシ氏訪台の可能性が判明した時点で、一方的に訪台許可を出してしまえばよかったのです。これによりペロシ氏の訪台は、中国共産党の「一つの中国」に従ったものになってしまったはずです。
しかし実際には中国は恫喝を繰り返し、同じ国内であるはずの台湾に対して禁輸措置などの対抗策を実施。むしろ「事実上別の国」であることを強くアピールする結果となってしまいました。
追記:中国の子供じみた言動で、日中外相会談が急遽中止に
日中両政府は4日に調整していた外相会談を見送ると決めた。中国側が中止を申し入れた。中国外務省の華春瑩報道局長は記者会見で、主要7カ国(G7)外相がペロシ米下院議長の訪台を巡る共同声明で「不当に中国を非難した」からだと説明した。
はあ・・・
中国のあまりにも大人げない、幼稚な言動にはあきれるばかりです。