米国のアップル社が、iPhoneXの生産量を半減させる見通しです。
初報が出た直後に「いやいやiPhoneXは売れているぞ、フェイクニュースを流すな」といった反論も出ていましたが、ここに来てついに日経新聞さんもiPhoneXの不調を報道するに至っています。
遂に日経までも「iPhoneX減産」に言及!
米アップルがスマートフォン(スマホ)の最新モデル「iPhoneX(テン)」を減産する。1~3月期の生産量を当初計画から半減させる見通しで、各種部品を供給する国内外のメーカーに通達した。1台11万円を超える高価格が世界の消費者に受け入れられなかったもよう。有機ELパネルを初採用した「X」の販売低迷は、日本など世界の部品メーカーの生産や業績に影響しそうだ。
iPhoneXの販売不振を受け、アップル社さんは1~3月期の生産量を、当初の4000万台から2000万台に半減させることを検討しているようです。
ただし、iPhone8や旧機種の販売もありますので、アップル社自体の収益への影響は限定的となる模様。
問題は部品メーカーのほうで、iPhoneX用パーツが生産過剰となるため売り先が無くなったり、安く買いたたかれるなどの影響がでてきそうです。
日本円で¥11万を超える高価格設定
iPhoneXの売り上げが不調となった原因は、記事中にもありますが「高すぎる価格設定」にあることは間違い無いでしょう。
高価格となった原因は、ディスプレイに有機ELを採用した点にあります。
アップル社はこれまで、部品を複数の会社から買い付ける方法で「低価格」と「部品の供給遅延の防止」を実現していました。
ところがiPhoneXではディスプレイに有機ELを採用したため、ここを韓国三星(サムソン)の言い値で買わざるをえない状況になってしまいました。このため、iPhoneX本体の価格も高くなっています。
ですので販売不振の直接の原因は「高すぎる価格設定」ですが、その根本原因は「有機ELを採用したこと」であります。
部品の供給遅延・・・と書きましたが、iPhoneXはまさに「有機ELの供給遅延」の影響で、販売時期を遅らせています。
なぜ、予定を前倒ししてまで有機ELを採用したのか・・・?
画面上部の切り欠け(ノッチ)
もう1つ不評なのは、画面上部の切り欠け(ノッチ)部分でしょう。既存のアプリやOSのユーザインターフェースに少なからず影響を与えています。
GUIインタフェースを先導したアップル社は、UIが変更されることのユーザへのインパクトを充分理解している筈・・・
なぜこんなデザインにしてしまったのか・・・?これも、「有機ELでゼベルレスをアピールしたいけど、カメラつける場所が無くなったのでここ使うで」というノリでやっちゃった感があります。
「バッテリー問題」が及ぼす有機EL寿命への影響
先般の「バッテリー寿命問題」が有機ELの寿命問題に波及していく可能性も、ここで指摘しておきます。
スマートフォンの部品で、寿命が短いものといえばまずバッテリーでしょう。おそらくは2,3年程度で、この期間なら有機ELは問題なく動作すると思います。
問題はその後で、先日「バッテリー寿命問題」が報道された影響で、アップル社はiPhoneのバッテリー交換を無償で行うなどの対応を行っています。
同様の対応をiPhoneXで行うと、バッテリーが延命される分、有機ELの「焼き付き」問題が顕在化することになります・・・。
微妙な新機能「FaceID」
この「FaceID」も、問題点としてよく指摘されます。
「メガネを外すと認識されない」とか、「家族でも認識される」など・・・。
実際のところはパスワード等で回避できると思いますので(←使ったことない)実用上の大きな問題にはならないと思いますが、iPhoneXの革新的な機能として大々的に売り出されていただけに、残念感もひとしおです。
おわりに
iPhoneXの売り上げが低迷する理由を、いくつか挙げてみました。
これ、無理に有機ELを採用してしまったことが、すべての元凶なんじゃないでしょうか?FaceID以外、全部有機EL絡みの問題のような・・・?