みずほフィナンシャルグループが、電子マネー「Jコイン」の実証実験を開始するという報道が出ました。
Jコインって何?
Jコインと言うのは、この記事中にある通り「電子マネー」とのこと。Suica や nanaco、Edy や WAON と同じような立ち位置です。
これらの電子マネーと同様、日本円にベッグします。要するに、日本円と同じ価値です。「1Jコイン=¥1」です。ここは注意点で、日本円に対して日々価値が上下するビットコイン等の仮想通貨とは異なります。
そしてこの「Jコイン」のウリは、中国で普及している「2次元バーコード決済」と同様の方法を採用することだそうです。
みずほFGはJコインについて、スマートフォンで2次元バーコード「QRコード」を読み込むだけで決済する仕組みを検討。
みずほ渾身の「Jコイン」は成功するのか?意味ないのでは?
いやしかしですね。これどうなんでしょう?今から新規の電子マネーを立ち上げて、二次元バーコード決済でしょ・・・?普及しますかね・・・?
普及しないのではないかと考える理由は単純で、日本ではすでに Felica 決済が普及しているからです。これのおかげで、スマートフォンでもフューチャーフォンでも、電子マネーカードでも店頭の端末にかざすだけで決済ができます。
すでに「かざすだけで決済できる」方法があるのに、わざわざ「スマートフォンのロックを解除してバーコードスキャナアプリを起動し、バーコードを認識させる」といった手順を踏まなければならない二次元バーコード方式など、誰も使わないでしょう。
Felica 方式は特に Suica その他交通系電子マネーにとって重要で、改札に媒体をかざした瞬間に認識する応答速度と精度、これらが高次元で保証されて、はじめて駅の改札に対応できるのです。
さすがに「駅の改札で、二次元バーコードをスキャンしながら改札を通過する」ような事をやっていては、改札に渋滞ができてしまいます。それ故に交通系電子マネーは Felica 対応のままとなり、その Felica に対応するスマホを利用する人はそちらの決済方法を選ぶはずです。
唯一使うケースがあるとすれば、Apple Pay が Suica に対応した今となっては「Felica に対応していない Android スマホを使う人が、ニ次元バーコード決済を行う」ぐらいでしょうか。
正直、2次元バーコード方式を行うよりは「クレジットカードのICチップを利用する」決済方法を普及させるほうが使い勝手が良いと思います。
そもそもの問題として、二次元バーコード決済を普及させるにしても、Jコインなんてものを作らずに単に日本円で決済させりゃそれで済んでしまうんじゃないの?という点があります。
うーん、考えれば考えるほど、これ何のためにやるんだろう・・・?