国連安保理の北朝鮮に対する追加制裁決議案ですが、まずは中露含め全会一致で可決されたとの事。
とりあえず全会一致で可決
中露含む全会一致での可決しましたが、日米韓案からは大きく後退した内容となりました。まあ、中露と交渉する必要がある以上、満額回答はあり得ないので仕方ないところ。
内容は以下の通り:
- 北朝鮮への石油関連製品の輸出を3割削減
- 繊維製品の輸入禁止(従来の制裁と合わせ北朝鮮の輸出9割強断)
- 米国当初案の「石油の全面禁輸」は撤回、原油輸出に現状維持という上限を設定。これは、中国からのパイプラインが技術的に停止困難であることも一因かと。
- 天然ガス液やコンデンセート(超軽質原油)の輸出は禁止
- 資産凍結・渡航禁止の対象から、金正恩委員長を除外
- 同、資金凍結対象団体から「高麗航空」や「朝鮮人民軍」などを除外
- 同、当初の7団体から朝鮮労働党中央軍事委員会など3団体に対象削減
- 繊維製品の禁輸は当初案通り盛り込み
- 北朝鮮人労働者の強制送還は撤回。新規労働許可をは禁止
日米韓が求めた「最強の決議案」からは後退したが、完全に履行されれば、北朝鮮へのエネルギー供給や外貨収入は徐々に細るとみられる。
北朝鮮の反発も?
北朝鮮の反発は必至なのですが、中露主に中国の抵抗で米国の大幅な譲歩を引き出したところがポイントになります。これで中国の顔に泥を塗ることがあれば、中国も米国に巨大な借りを作ってしまうことになります。
次回の決議案では、米国原案がほぼ満額で通ることになるでしょう。
北朝鮮外務省は11日、3日の核実験(6回目)を理由に制裁決議を主導する米国を非難する声明を発表。「われわれが講じることになる次の措置は米国を史上類例なく困惑させる」と威嚇した。
これは困惑せざるを得ない