今朝がた「米国が北朝鮮をテロ支援国家に再認定した」というエントリをあげましたが、その少し前に、日経新聞からその予兆と考えられる報道が出ていました。
意識の萎えた中国特使
中国共産党の宋濤・中央対外連絡部長は20日、北朝鮮への4日間の訪問を終えて帰国した。中朝関係筋によると金正恩(キム・ジョンウン)委員長との会談は見送られたもようだ。核・ミサイル開発を巡る中朝の立場の違いを埋められなかったとみられる。中朝関係が一段と冷え込む可能性がある。
中国特使の宋濤さんですが、金正恩最高尊厳(←党委員長)との会談は叶わなかった模様。
蛇足ですが、宋濤さんの名前は「そうとう」と読みます。北朝鮮勢には読みがな振りまくりなのに、こっちには何故振らないんですかね?よくわかりません。
日経新聞が振りがなを振ってくれないかわいそうな宋濤さんですが、北朝鮮の2名の要人と会談した模様。副委員長って肩書きですので、最高尊厳に次ぐ階級なんでしょうか?これもよく分かりません。
- 崔竜海(さいりゅうかい)副委員長
- 李洙墉(りじゅよう)副委員長
今回の特使派遣の成果について、中国政府はこんな報道をしています。
- 朝鮮労働党中央の指導者と会談した※最高尊厳とは言ってない
- 公表可能な内容はない
あかん
宋濤さんが金正恩最高尊厳と会談できなかった理由は?
結局、宋濤さんが過去の特使と比べて低い階級であることと、中国が国連制裁に加わっていることから、最高尊厳との会談に至らなかったようです。
まあ、制裁参加はともかくとして、特使の階級を敢えて下げてしまったのは中国の失態というか、なんで下げたんですかね?
しかし、今回会談が成立しなかったこと、また中国側が「公表可能な内容はない」としている以上、むしろ中朝間の関係悪化まで懸念される有様です。
飛翔編~そして制裁へ~
結局、トランプ大統領期待の「中国による特使派遣」は、不調に終わったと言わざるを得ません。北朝鮮への「テロ支援国家再指定」は、これを受けてのものでしょう。
指定の結果「北朝鮮が反発し、核実験やミサイル実験を再開する」という論評もありますが、これはナンセンスでしょう。今までは指定が解除されていましたが、北朝鮮は「実験」を繰り返しているのです。
「挑発する結果になるだけだから、北朝鮮への制裁はやめよう」といったところで、制裁をやめたら北朝鮮がおとなしくなる保障もまったくありません。
マスコミの論調は警戒すべきです。