敢えて突き進む高級路線
米アップルは12日、米カリフォルニア州クパチーノの新本社で新製品発表会を開き、スマートフォン（スマホ）の最上位機種「ｉＰｈｏｎｅＸ」の投入を発表した。初代ｉＰｈｏｎｅ投入から10周年がたち、スマホ市場は成熟し始め価格は下落傾向にある。だが、アップルは既存機種の刷新とは別に、デザインを大幅に変えた10万円以上の最上位モデルを追加。ＩＴ（情報技術）業界の高級ブランドとして、あえて単価引き上げに動いた。
中華スマホが激しい追い上げをかける中、Apple は敢えて iPhone の高級高価格路線を強行。
もっとも、Apple 製品が他より高めの価格設定になるのは今回に限ったことではなく、これ自体は特筆すべき点ではないでしょう。
高価格の原因は有機ＥＬ
今回発表された製品のなかでも超高額になった新型iPhoneこと「iPhone X」ですが、その理由の一つとして有機ELディスプレイの供給元がSamsung（サムスン）に限られているからだとアナリストが報告しています。
従来、Apple は iPhone 部品を基本的に複数社から調達していました。しかし今回の iPhoneX はディスプレイに有機ＥＬを採用してしまいました。このため、供給元が韓国三星に限られ価格の主導権を握られてしまった模様。
ApplePay が顔認証必須？！
『えっ、iPhoneXだろうと別に今まで通り指紋認証させた上でApple Payを使えばいいんじゃないの？』と思われるかもしれませんが、最新型のiPhoneXには指紋認証機能であるTouch IDが搭載されていません（そもそもホームボタンがない）。
ApplePay 利用時に顔認証が必要になることから、たとえば冬場にマスクをしているような場合は「いちいちマスクを外す必要がでてくる」かもしれない、と・・・
理由は「ホームボタンがないから」なんだそうですが、前の富士通Ｆシリーズみたいに背面に指紋センサーつけりゃ解決した問題なじゃないかと思いました。
実際のところ、認証精度等どの程度なのか分かりません。ひょっとしたら目元だけで認証しちゃうのかもしれませんが。こればかりは、販売開始されてからの報告待ちですね。
１つだけ素晴らしい点：海外版含めて Felica 搭載！
なお、iPhone 7・7 Plusでは日本版のみがFeliCaに対応していましたが、iPhone 8・8 PlusおよびiPhone Xでは海外版でも利用可能とのこと。
Felica はその応答速度から、ゲート・交通インフラのデファクトスタンダードになりうる存在です。しかし、実際にはほぼ日本国内でしか普及していない・・・
iPhone が海外版含めて Felica 対応となった以上、中華スマホ含む Android 陣営も Felica 搭載が進むことでしょう。これに対応したインフラ整備は、日本の独壇場になってくれるはず！
